間単にホームページ作成

前回の記事 ホームページの運営コスト – 実際のリアルな数値 でもお伝えしましたが、ホームページを一番安く制作する方法はやはり自分で作るということです。

「自作」なんてハードルが高そうに思えますが、実は意外と簡単に行えます。
今回の記事から10回シリーズで、ホームページの自作方法を図入りで詳しく解説します。

ステップ1:ドメインを取得しよう

ドメインの取得とは

ホームページを作るためのに一番最初にすることはドメインの取得です。

ドメインとは、ホームページアドレスのことです。トップページのURLともいえます。
このブログ「中小企業サバイバー」の場合は、genkiwork.com の部分です。

ドメインとは

ドメインはインターネット上で「住所」の役割を果たします。住所がないと郵便物が届かないように、ドメインがないとネット上で見つからないので誰にも見てもらえません。

このドメインを管理・販売している会社がありますので、そこから購入します。
このことを一般的に「ドメインを取得する」といいます。

ドメインは早いもの勝ち

.com や .jp などの前に任意の文字列をつけて選ぶことができます。
例えば 吉田商店なら yoshida-shoten.com 吉田病院なら yoshida-hospital.jp

もし誰かが先に yoshida-shoten.com や yoshida-hospital.jp を取得してしまっていたら、それは取得できません。他の文字列を選ぶ必要があります。
ドメインの取得は「早いもの勝ち」なのです。

ドメインの種類

ドメインにはいろいろな種類が存在します。その数なんと500種類以上。
参考:お名前.comのドメイン一覧

代表的なものとしては、.com / .net / .jp / .co.jp といったドメインがあります。
「.com」は Commercial つまり商用を意味します。「.net」はネットワーク。「.jp」は日本。「.co.jp」は日本の会社。

そしてこれらは2種類に大別されます。

gTLD
一般トップレベルドメイン
ccTLD
国別トップレベルドメイン
.com / .net .jp / .co.jp

両者の違いは、gTLDは全世界の人が取得できるのに対して、ccTLDは国毎に割り当てられています。
これについて覚える必要はまったくなく、だいたいccTLDの方が料金が高いということだけ知っていれば十分です。

「.co.jp」は特別

代表的なドメインに挙げた4つの中で「.co.jp」だけ特別で、日本国内の法人だけが取得できます。また1社につき1つしか取れません。

例:株式会社ABC商事 が abc-shoji.co.jp を取得したあとに、もうひとつ abc-shoten.co.jp も欲しいと申請しても取れない。

ドメインの上手な選び方

上手な選び方

「信用力」を重視しつつ「違和感」がないように

500種類以上あるので目移りするのですが、基本的には .com / .net / .jp / .co.jp の中から選ぶことをオススメします。というかそれが無難です。
世の中には怪しいサイトが存在しますが、そういったサイトが少なからず珍しいドメインを使ったりしています。そのため珍しい種類のドメインは「信用力」がイマイチです。
ビジネスにおいて「信用」はとても重要ですので、一般的に認知されて信用されているドメインの中から選びましょう。

また信用力という意味では「.co.jp」が一番高いのですが、どんなケースでもこれがいいわけではありません。

たとえば株式会社吉田商店という会社が、かかとの磨り減らないタフな靴「タフシューズ」というブランド名で有名だったとします。
このタフシューズというブランドのホームページを作るなら、tough-shoes.com というドメインが最適です。tough-shoes.co.jp というドメインは違和感があります。なぜなら .co.jp は一般的に企業名につけるドメインと認識されていますので、ブランド名やサービス名につけると違和感が生まれます。(会社名が株式会社タフシューズ なら違和感はありません。)

上記のケースではブランドのホームページには tough-shoes.com を使い、会社のオフィシャルホームページには yoshida-shoten.co.jp を使うのがベストだと思われます。

ただ2つもホームページはいらない。会社のオフィシャルホームページに載せる情報なんてそこまでない。という場合は tough-shoes.com のドメインを使い、このドメインの中に tough-shoes.com/company/ というページを作って「会社概要」などを載せれば対応できます。

将来のリスクも意識する

ドメインは早いもの勝ちと述べましたが、あなたの会社の「社名」「サービス名」「ブランド名」が空いていたら、迷わず取得しましょう。
空いているのにわざわざ違うドメインを選ぶ理由はありません。

そんなことをしたら将来あなたの会社が大企業になった時に「お、この大企業のドメイン空いているぞ!チャンス!」と考える輩が、そのドメインでいかがわしいサイトを作ったりしてあなたの会社のイメージを損ねようとするかもしれません。そして「このドメインを譲ってやるから、金をよこせ」と法外な金額を要求してくる・・・こんなことになりかねません。

取りたいドメインが空いていなかったら

これはツライところですが、先に取得されてしまったものはどうしようもありません。
文字列を微妙に変えるなどして対応しましょう。

たとえば私が「吉田運送」という運送会社を経営していたとして、yoshidaunso.com を取得したいけど空いていない場合、次のように対応します。

ハイフンを使う yoshida-unso.com
省略する y-unso.com
一部を英語にする yoshida-transport.com

このようにして、少しずつズラしていくと空いているドメインが見つかると思います。
苦肉の策ですが、まったく関係のない文字列にするよりはましだと割り切りましょう。

日本語ドメインについて

.com や .jp などの前につける文字列ですが、実は日本語を選ぶこともできます。
吉田運送.com のような感じです。

「わかりやすくてイイねぇ!」と思われるかもしれませんが、この日本語ドメインを私はあまりオススメしません。いくつかのデメリットがあるからです。

日本語ドメインのデメリット

  • URLをコピーした時に、意味のわからない長い文字列になる
  • メールアドレスとして使用することができない

日本語のドメインは見かけ上「吉田運送.com」のようにわかりやすくなっているのですが、システム的には「xn--9pr848epmspia.com」となります。

もともとドメインはアルファベットにしか対応していなかったのですが、技術の進歩により日本語に対応するようになりました。しかしコンピュータ的にはつまりシステム的には、日本語を日本語のまま理解しているわけではなく、上記のようにコンピュータにとって理解できる文字列に変換して処理しています。

「それの何が問題なの?」となりそうですが、みなさん日ごろメールなどにURLをコピペすることはないでしょうか?次のようになります。

日本語ドメインをメールに貼り付けて失敗

このように、コピペした時に文字が変換されてしまう問題が発生します。

また取得したドメインは会社のメールアドレスに使用することもできます。英字のドメインの場合だと、contact@yoshida-unso.com という具合にスッキリとしたメールアドレスになります。
ところが日本語ドメインの場合、contact@xn--9pr848epmspia.com となってしまい怪しい業者のメアドのようです。contact@吉田運送.com とはならないのです。

日本語ドメインのメリット

  • 視認しやすい ⇒ すぐ理解できる ⇒ 日本人には好印象
  • ホームページアドレスを覚えてもらえる

もちろん日本語ドメインならではのメリットもあります。
日本人にとって日本語で表記されたURLはやはり認識しやすく、好印象です。
覚えやすいのもメリットです。

私個人の感覚では、士業系の先生なら日本語ドメインはカッコイイと思います。
もし私が弁護士なら、https://吉田法律事務所.com というドメインでホームページを作るかもしれません。

日本語ドメインを使う場合は、アドレスをコピペしない・メールアドレスには使用しない の2点に気をつければメリットを享受できそうです。

ドメインの料金

ドメインの料金は1年単位で支払います。
最初の1年目を「取得費」といい、2年目以降そのドメインを継続して使う場合は「更新費」を払います。

更新費に関してはどのドメイン業者もほとんど横並びで、あまり大きな料金の違いはありません。
取得費に関してはキャンペーンの多い業者もあれば、そうでもない業者もあり差が出ています。

主なドメイン業者の取得費一覧

2018年3月時点(年間費用・税抜き表記)

お名前.com エックス
ドメイン
ムームー
ドメイン
バリュー
ドメイン
.com 960円 980円 1160円 1280円
.net 599円 1280円 599円 1480円
.jp 2840円 2820円 2840円 2840円
.co.jp 3780円 2580円 2280円 3780円

.com / .net に関しては、「お名前.com」が安いようです。
.jp / .co.jp に関しては、「エックスドメイン」と「ムームドメイン」が安いようです。

主なドメイン業者の更新費一覧

2018年3月時点(年間費用・税抜き表記)

お名前.com エックス
ドメイン
ムームー
ドメイン
バリュー
ドメイン
.com 1280円 1180円 1280円 1280円
.net 1480円 1280円 1480円 1480円
.jp 2840円 2820円 2840円 2840円
.co.jp 5200円 3760円 3780円 3780円

更新費に関しては、「エックスドメイン」が安いようです。

※ いずれも2018年3月時点での情報です。キャンペーンの時期など最安値の業者はよく入れ替わります。

まとめ

ドメインの役わりと重要性がボンヤリと見えてきたでしょうか?

ドメインはホームページアドレスだけでなくメールアドレスにも利用できますので、慎重に選ぶ必要があります。
会社の将来も見据えて、ぜひ長期的な視点でドメインを選んでいただければと思います。

ホームページを自作しよう②ドメイン取得手続きとWhois代理公開 に続く

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