インフレーション

4月4日、アマゾンジャパンは直販する商品の配送料を一部引き上げたと発表しました。2000円未満の注文額の場合、一律350円だったものが400円ないし440円になるとのことです。

また大手牛丼チェーンもここ数ヶ月で次々に値上げを発表しています。
野菜やガソリン価格の上昇も続いています。

このように消費者には物価の上昇を肌身で感じられるようになってきました。

本当に物価は上昇しているのか?

消費者感覚では物価が上昇しているように思えるのですが、実際のデータはどうでしょうか?
総務省統計局のデータによると次のようになっていました。

消費者物価指数の推移(50年間)

50年間の推移ですが、直近25年間は ほとんど変化がありません。
さすがに50年は長すぎるので、直近10年間に絞ってみると・・・

消費者物価指数の推移(10年間)

2013年からはたしかに上昇しているようです。
ただロングスパンで見るとわずかな上昇幅であると言えます。

日銀は2016年2月から、民間銀行からの預金の一部にマイナス金利を導入するなど 市場がインフレになるよう積極的に誘導しています。

マイナス金利による効果が大きいのか、賃金上昇による影響が大きいのかわかりませんが 少しずつ確実に物価は上昇(インフレ)していると言えそうです。

中小企業のサービス価格には反映されているか?

アマゾン や すき家 など大手の企業はサービス価格を少しずつ上げておりますが、中小企業はどうでしょうか?

これについても統計局やさまざまな媒体でデータを探したのですが、残念ながらここ5年ぐらいの信頼できるデータを見つけることができませんでした。

ですので ただの私の予想なのですが、中小企業のサービス価格はあまり上昇していないと思います。
感覚的なものですが、これに同感の方も実際多いと思います。

賃金や電気代など経費が増えても、サービス価格はなかなか上げにくいものです。
ではどうすればよいか?

生産効率を上げて経費を削減」結局こういう話になりそうです。
ちなみに生産効率を上げるには IT活用をすぐに思い浮かべますが、IT導入補助金という制度がありますので、まだご存知ない方はぜひ 2018年度予算成立とIT導入補助金 をお読みください。

ところで、お金はどこに集まっているのか?

賃金が上昇しているといっても、それはパートやアルバイトの時給額の話であって、世帯収入の中央値を見ると、稼ぎが増えているとは言いがたいです。

世帯収入の中央値と共働き世帯数
出典:HNK NEWS WEB

中央値のグラフを持ち出したのは、平均値だと一部の超高所得者が平均を引き上げてしまうため、より一般人の感覚に近い値を参考にしたかったためです。

日銀が金利を下げ、また量的金融緩和で資金供給量も増やしているので普通に考えれば世帯収入も上がりそうなものですが、実際には上がっていません。

いったいお金はどこにいっているのでしょうか?

下のグラフを見てください。

企業規模別に見た金融機関からの貸出の推移
出典:中小企業庁

企業規模別に見た金融機関からの貸出しの推移ですが、大企業に比べて中小企業は明らかに伸びが鈍いです。お金が大企業そして一部の高所得者に向かって集まっているのを現しているようです。

「格差社会」と言われていますが、データで突きつけられるとますますそう思ってしまいます。

中小企業はどうするべきか

金融機関からの融資が中小企業にはなかなか下りないとグラフで示したとおりですが、金融機関も決して貸したくないわけではないと思います。
「貸したくても貸せない。貸せる先が見つからない。」が本音でしょう。

金融機関から融資を受けるためには、少額でもいいので確実に利益を積み重ねることだと思います。
利益を出している状態を何年も継続しているのであれば、絶対に信用はついてきます。

このブログでは何度もくどく述べているのですが、そのための生産性向上でありIT活用です。
先日私は、経済産業省主導の「サービス等生産性向上 IT 導入支援事業」の説明会に行ってきたのですが、そこでもサービス産業のとくに医療・介護・福祉業界の生産性が低いことを問題にされていました。

お上はこう言っているのだと思います。
「ちゃんとITを活用して生産性を上げなさい。そうしないと助けてやらんし、金も貸さんぞ!」

回りくどくなりましたが「 ITを活用しましょう!
これがこの記事で伝えたかったことです。

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