採用というと「企業側が応募者の中から自社に適した人材を選ぶ」ことをイメージしがちですが、現在では逆のイメージをもつべきです。
「求職者が数ある企業の中から自分に合う会社を選ぶ」というイメージです。
求人倍率は約1.6倍となり、ここ8年ほど継続的に上昇しています。業種によっては3倍を大きく超えています。求職者よりも求人数のほうが多い状態です。
業種・職種 有効求人倍率 保安・警備 7.73倍 建設・土木 4.15倍 接客・飲食 3.87倍 介護職 3.74倍 ドライバー 2.80倍 IT技術者 2.44倍 営業職 1.67倍 製造業 1.66倍 会計事務 0.74倍 一般事務 0.35倍
この数値から見ても、明らかに売り手(求職者に有利な)市場です。
求職者は数ある企業の中から自分に合う会社を選ぶことができます。
企業側は、なんとかして求職者に選んでもらうという意識を持たなければなりません。
選んでもらえるだけの魅力を伝えているか
「この会社に就職したい」と思ってもらうには、会社の魅力を伝えることが必要です。
魅力はどのようにすれば伝わるのでしょうか?
これがわかるには、まず求職者の心理を知ることが大事です。
求職者の心理について次の記事でわかりやすく解説していますので、ぜひお読みください。
上記の記事で紹介しているように、文字だけでいくら思いを伝えようとしても なかなか伝わりません。
「目は口ほどに物を言う」という諺があるように、視覚から得られる情報というのは思いのほか大きいものです。
魅力を伝えるためには、まず写真でしっかりといいイメージを伝えます。
現代人はせっかちですから、興味をもつまでなかなか文章を読んでくれません。写真でとりあえず興味を持たせて、そのあとに熱い文章で説得する必要があるのです。
「写真の掲載が必要なのはわかった。でも費用が高すぎてそれはムリだ!」という意見もあります。
求人誌や新聞折込の求人広告では、この意見の通りです。
写真を掲載するためには大きなスペースが必要なので、求人広告費もその分高くなります。
中小企業にとって高すぎる広告費用というのは避けたいところです。
この問題を解決できるのは、やはりネットです。
自社のホームページや採用サイト、完全無料の求人サイト などを利用すれば広告費用はまったくかかりません。その上、大きな写真も掲載し放題です。
有料の求人サイトでも、その多くが写真などの情報をたくさん掲載できます。同じだけの情報を紙媒体に掲載することに比べれば格段に費用は安いです。
スマホも普及し、ネットで仕事を探す求職者の数も右肩上がりです。とくに若い世代ではわざわざハローワークに足を運ばなくなってきています。
もしあなたの会社の求人が、ホームページにも求人サイトにも載っていなかったら、それはネットで仕事を探す求職者に対してあなたの会社の魅力を伝える手段を持っていない ということです。
この場合、当然求職者に選ばれる可能性はありません。
細かい情報発信そのものが差別化につながる
求職者から選ばれるためには、魅力を伝えたうえでさらに他社と比較検討され、こちらの会社のほうが良いと思ってもらわなければなりません。
他社の魅力を上回る必要があるのです。
ただ必ずしも 条件面で上回る = 魅力も上回る とはなりません。
条件面で劣っていても、他社の魅力を上回ることはできます。
給料などの条件で劣っていても他社の魅力を上回る方法とは
実はこれはそんなに難しい方法ではありません。
今の会社のありのままの状態を、細かく情報発信していく・・・これだけです。
どういうことかというと、まずこの世に同じ会社は2つありません。存在している時点で唯一無二のものです。そして一社一社になにかしらの特徴があります。
差別化・差別化と身構えなくても、もともと他社とは違う存在です。
でもその違う部分は、きちんと伝えないと誰もわかってくれません。伝えない限り、どこにでもある会社と一緒になってしまいます。
具体例を示します。
- 給料は低いけど、残業もなくちゃんと有給休暇がとれるA社
- 駅から近く駐車場もあり、とにかく通勤しやすいB社
- めちゃくちゃサッカーに詳しい部長がいるC社
- 通勤で体力を奪われたくない、とにかく通いやすいところで働きたいDさん
- サッカーが好きすぎて、職場でもサッカーの話題で盛りあがれる上司が欲しいEさん
- 給料よりも、自分のプライベートな時間を絶対に確保したいFさん
あまりに簡単な問題ですが、一応答えを書きます。
それぞれ仕事探しにおいて重視する点が違うので、当然魅力を感じる会社も異なります。
つまりこういうことです。
自社の特徴をとにかく細かく情報発信しておけば、その中のどこかのポイントに魅力を感じる求職者が現れる、またその可能性が高まる。
「ナンバーワンにならなくてもいい もともと特別なオンリーワン」という有名な歌詞がありますが、まさにこの通りなのです。
難易度は高くないが労力は必要
上述したように、自社のありのままを伝えればいいので難しくはないのですが、決して楽ではありません。
細かく情報発信していくのは労力が必要ですし、面倒な作業でもあります。
ただ面倒な作業も結局は”慣れ”です。
はじめは踏ん張って継続しその作業に慣れれば、あとは当たり前のように継続できますし、次第に楽に感じるようになります。
また自社ホームページの場合、作ったコンテンツはどんどん蓄積するので、効果も正比例的に伸びていきます。魅力的なホームページが完成したら、以前よりもずっと楽に採用を行えるようになります。
ぜひそこまで到達できるように継続して頑張ってください。