昨日(3月28日)夜に国の新年度予算が成立しました。
その歳出総額は約98兆円と、6年連続で過去最大を更新しました。
税収が59兆790億円と昨年より1兆3670億円増えると見積もられています。
税収が増える理由として、企業業績の改善に伴い賃金も上昇し所得税収が伸びるとの予想だそうです。
たしかに毎年のように最低賃金が引き上げられ、従業員の賃金は上昇を続けていますが、中小企業の業績が改善しているかと聞かれれば、疑問符をつけたくなるところではないでしょうか?
生産性を上げるためには
賃金の上昇は世の中全体の流れですので、なかなか避けることはできません。他社の給料が上がっているのに、自社だけ現状維持ではどんどん人材が離れていってしまいます。
賃金が上昇していくなかで売上を増やしていくことが構造上難しい場合、経費をなんとかして下げなくてはなりません。
経費を下げるには、生産性を上げていくことが求められます。
生産性を上げるために てっとり早く思いつく方法は、やはりITの活用です。
「IT活用って言われても、うちに詳しい人材はいないし なかなか難しいよ。だいいち何を導入すればいいかわからないし・・・」
このようにお考えの方に朗報です。
IT導入補助金という制度があります。
IT導入補助金とは
たとえば飲食業なら顧客管理システム、卸売・小売業なら在庫管理システム、保育・介護ならコミュニケーションツール、運送業なら車両管理システム、宿泊業なら予約管理システムといったように、その業種に合ったITサービスやツールを導入する費用に対して補助金が出る制度です。
導入費用の二分の一までの補助率で、下限が15万円で上限が50万円です。
つまり30万円のITツール・サービスを導入すると15万円の補助金がおり、100万円なら50万円の補助金がおります。(※ 200万円のITツール・サービスを導入しても上限の50万円となります。)
対象は、全国の中小企業・小規模事業者で今まで積極的にITを活用していなかった企業です。
ホームページ制作にも補助金がおりる
IT導入補助金の対象となるITツールやITサービスはかなり適用範囲が広いです。
ホームページ制作やWebコンサルのようなサービスも含まれています。
ただホームページ制作に対してこのIT導入補助金を利用できるのは、今までホームページを持っていなかった企業に限ります。(※ まったく役に立っていない簡単なホームページを持っている場合でも、適用除外となってしまいます。)
何を導入すればよいかもアドバイスを受けられる
補助金があるといわれても、何を導入すればよいかわからない場合も多いと思います。
ただこの制度は、そのような方が安心して使えるように設計されています。
IT導入補助金の専用サイト内の「経営診断ツール」を使って、最適なITツール・サービスを見つけることが可能です。(※ この機能は4月2日時点ではまだ公開されておりません。)
また「IT導入支援事業者」というIT導入を手伝ってくれる業者がたくさん登録されているので、そういった業者から何を導入すればよいかアドバイスを受けることもできます。
昨年度予算の5倍
このIT導入補助金の制度は平成29年度より始っており、平成29年度のこの制度に対する予算は100億円でしたが、平成30年度は5倍の500億円の予算が割り振られています。
これだけの予算があれば、どの中小企業にもこの制度を利用できる可能性が高まります。
事務局としては、約13万社に利用してもらうことを想定しているようです。
また政府は、新たにITツールを導入する企業を100万社増やすことを目標としているので、この制度は次の年度も継続して行われる可能性が高いです。
そして一度補助金を利用した企業も、次年度に違うITツールやサービスを導入するのであれば、また補助金を申請することができます。(※ 同じITツールや、同じ目的のITツールを導入する場合は補助金の対象とはなりません。)
制度を利用するうえでの注意
この制度を利用するには先に「交付申請」をして採択される必要があります。
かってにITツールやサービスを導入して後から申請しても、補助金は一銭もおりません。
先に契約してしまうのもダメです。
どのITツール・サービスを導入するのか決めたあとは、IT導入支援事業者を選定し、交付申請を行って採択されたあとに、契約 ⇒ 導入 ⇒ 支払い という流れで進めなければなりません。
交付申請の一次公募期間は2018年4月20日(金)~6月4日(月)となっています。
二次公募は6月中旬から、三次公募は8月中旬から開始される予定です。
昨年は二次・三次公募の場合、採択されにくいという現象があったみたいですが、今年度は予算が5倍に増えていますので、その心配はまずいらないとのことです。
ですので、慌てずに自社に合うITツール・サービスをじっくりと選定してください。
この制度の詳しい情報は、IT導入補助金の専用サイト で随時更新されます。(※ 4月2日時点では、まだあまり情報は出ていません。)
制度の利用を検討される場合は、こまめにチェックしてください。