介護を行う国家資格として知られているのが介護福祉士ですが、近年は認定介護福祉士(仮称)の新設が検討されてきています。
今回は、このふたつの資格の違いは何なのか、給料や将来性をまじえながらご紹介しましょう。

まず、介護福祉士とは何か

介護の仕事についている人なら知らない人はいないというほど知られた国家資格です。別名ケアワーカーと呼ばれ、介護をおもな仕事とし、要介護者のサポートや介護の指導を行います。

介護福祉士とは

高齢化社会や核家族化に伴い、介護の仕事をする人材は多く求められており、さまざまな関連施設などで求人が行われています。
しかし介護には体力を使うため消耗が激しく、離職者が非常に多いのも現状です。
さらに介護福祉士は福祉関係の仕事では給料が低めなこともあり、需要と供給のバランスが悪く、人員が常に不足しているような状態なのです。

介護福祉士国家試験の傾向

介護福祉士国家試験の勉強

国家試験は平成26年度の場合、学歴によっては免除されていますが、平成28年度からはそれがなくなります。そのため試験内容や日程をよく確認して、資格取得を目指すことになるでしょう。

筆記試験の内容

人間と社会

  • 1.人間の尊厳と自立(介護における尊厳の保持・自立支援など)
  • 2.人間関係とコミュニケーション(コミュニケーションの基礎など)
  • 3.社会の理解(生活と福祉、介護保険制度など)

介護

  • 1.介護の基本(介護福祉士の役割と機能を支える仕組みなど)
  • 2.コミュニケーション技術(介護におけるチームのコミュニケーションなど)
  • 3.生活支援技術(自立に向けた居住環境の整備、自立に向けた睡眠の介護など)
  • 4.介護過程(介護過程の展開など)

こころとからだのしくみ

  • 1.発達と老化の理解(老年期の発達と成熟、高齢者と健康など)
  • 2.認知症の理解(医学的側面から見た認知症の基礎など)
  • 3.障がいの理解(障がいの医学的側面の基礎的知識など)
  • 4.こころとからだのしくみ(からだのしくみの理解、排せつに関連したこころとからだのしくみなど)

総合問題

実技試験の内容
介護の原則、健康状況の把握、環境整備、身体介護

認定介護福祉士(仮)とは何か

介護福祉士の現状により数年前から、認定介護福祉士(仮)の新設が検討されています。

認定介護福祉士とは

2014年現在は厚生労働省と日本介護福祉士会による調整が行われている段階で、まだ詳しい詳細は明らかにされていません。モデル研修はすでに終了しており、介護福祉士のリーダーのような位置づけになるのではと考えられています。

資格習得方法についても未定ですが、通信教育等400時間前後のカリキュラムを検討しているようです。
もしこれら資格ができれば介護福祉士から目指す人も増えてくるでしょう。給料においても条件がよくなるとなれば、人数もさらに多くなる可能性があります。

介護福祉士の今後

介護職全体の人員不足もあり、現在日本ではタイ国の介護福祉士有資格者の受け入れも検討されています。
国家試験の難易度等による問題もありますが、今後条件が整えば他国の介護福祉士が日本国内で多く活躍する日もくるかもしれません。

また、認定介護福祉士(仮)等の検討もあり、介護福祉士に関わるさまざまな法律、環境、給料等が今後変わってくることも予想されます。
いずれにしろ、待遇面などを良くする方向で考えられていますから、介護の仕事を目指したいと考えている人も、今後状況が良くなることに期待しましょう。