介護福祉士も社会福祉士も福祉に関わる国家資格ですが、共に介護の現場で働くうちにお互いの仕事に興味を持ってくることも少なくありません。
今回は介護福祉士から社会福祉士になるための条件などをまとめてみました。

介護福祉士と社会福祉士の違い

違い

いずれも国家資格ではあるものの、その仕事内容は大きく違います。
介護福祉士は介護や介助の仕事をするため、ほとんどが実務経験をつんだのち資格取得を目指すことになるでしょう。
国家資格のなかでも合格率は高めになっており、学歴に不安がある人でも取得しやすい傾向にあります。

一方で社会福祉士は介護者やその家族の相談・援助等の支援を行う仕事であり、知識力や経験が必要になってきます。そのためほとんどが福祉系の学校等を卒業している必要があり、条件も厳しく、試験内容も難易度が高いのです。
介護福祉士が体力仕事であるのに対し、こちらは学歴や知識が重要視される仕事と考えると良いでしょう。

社会福祉士の資格要件

社会福祉士になるためには社会福祉士国家試験に合格する必要があります。しかし社会福祉士試験に備えるには、まずは以下のいずれか受験資格を得る必要があるのです。この条件が非常にややこしく、学歴や実務経験の年数等で変わってきます。また、精神保健福祉士の資格がある場合は申請により一部試験科目が免除されます。

大学

1.福祉系大学等4年+指定科目履修
2.福祉系短大等3年+指定科目履修+相談援助実務1年
3.福祉系短大等2年+指定科目履修+相談援助実務2年
4.福祉系大学等4年+基礎科目履修+短期養成施設等6カ月以上
5.福祉系短大等3年+基礎科目履修+相談援助実務1年+短期養成施設等6カ月以上
6.福祉系短大等2年+基礎科目履修+相談援助実務2年+短期養成施設等6カ月以上
7.社会福祉主事養成機関+相談援助実務2年+短期養成施設等6カ月以上
8.児童福祉司、身体障がい者福祉司、審査指導員、知的障がい者福祉司、老人福祉指導主事、実務4年+短期養成施設等6カ月以上
9.一般大学等4年+一般養成施設等1年以上
10.一般短大等3年+相談援助実務1年+一般養成施設等1年以上
11.一般短大等2年+相談援助実務2年+一般養成施設等1年以上
12.相談援助実務4年+一般養成施設等1年以上

介護福祉士として働きながら社会福祉士を目指す

社会福祉士を目指す

仕事内容は大きく変わるものの、収入アップや将来性が見込めるのは介護福祉士よりも社会福祉士になります。
そのため介護福祉士をしながら社会福祉士を目指したいという人も多いことでしょう。
年齢と共に体力仕事がきつくなってきたと感じるのであれば早い段階で社会福祉士を目指し、安定した仕事につくことが望まれます。

もし福祉系大学等を卒業していない場合は、実務経験や養成施設等の条件をクリアする必要があります。
さらに仕事を続けながら試験勉強をすることになるでしょうから、決して簡単なことではないでしょう。

しかし職場によっては資格習得のための援助制度などが設けられているところもありますので、それらを使えば自身の負担も減ることになります。
近年の社会福祉国家試験の合格率は25%ほどですが、将来のためにもぜひ積極的に資格習得を目指してみてはいかがでしょうか。