「残業が当たり前」
「給料が低すぎる」
人によって会社を辞める理由は様々です。
このページでは離職率の高い業界のランキングと共に、離職理由の”よくある一例”をご紹介しています。
また「離職率が高いから…」といって単にネガティブに捕らえるのではなく、離職率が上位の業界だからこそ得られるメリットも合わせて説明しています。
離職率ランキング
この表は、2015年11月に厚生労働省が発表した離職率(2012年3月卒業者)をランキング形式にしたものです。
1. 宿泊業・飲食サービス |
2. 教育・学習支援 |
3. 生活関連・娯楽 |
4. 小売業 |
5. 医療・福祉 |
6. 不動産・リース |
7. その他サービス |
8. 学術研究など |
9. 建設業 |
10. 卸売業 |
11. 情報通信 |
12. 運輸・郵便 |
13. 金融・保険 |
14. 複合サービス |
15. 製造業 |
16. 鉱業・採石業 |
17. その他 |
厚生労働省が”2012年3月に大学を卒業した就労者”の離職状況調査を公表しました。
これによると、新卒から3年以内に辞めた人は全体の約3割で、企業規模が大きいほど離職率は低い傾向にあります。
では、この表で上位に位置する業界の離職理由はどのようなものがあるか、当サイトで調査した生の声を見てみましょう。
1.宿泊業・飲食サービス
- 離職理由
-
・「お客様は神様」と思っている人に対応するのに、もう疲れました。
・酔っ払いの相手は本当にストレスがたまる。「無」になって毎日暮らすことに、なんのために生きているのか分からなくなりました。
・拘束時間が長い。
- 教育・学習支援
-
・モンスターペアレンツって絶対クラスに1人はいる。もう毎年逃れられないと思うと胃と精神が病んでしまった。
・採用試験に有利だから部活の顧問になったけど、もう年中無休で仕事です。自分の時間なんてありません。
・勤め始めたときの教育に対する高い意識は、すぐにつぶされました。
- 生活関連・娯楽
-
・給料が低くくて家族を養えないので転職しました。仕事自体は好きだったのですが…。
・基本的に土日は仕事。入社する前から分かっていたけれど、実際働いてみるとまったく周りと時間が合わないので大きなストレス。
・同じような仕事が多いので、良い条件のところに転職しました。
これらは一例ですが、学生の方や転職を考える人にとっては会社を選ぶ1つの指標になるのではないでしょうか。
ただ意識しておかなければならないのは、離職率が高い業界だからといって、決してそれが悪いというわけではないということです。
視点を変えると、むしろ他の業界より働く上で得られるメリットが多いと感じる人だっているでしょう。
離職率が高い業界で働くメリットは?
たとえば離職率ランキングが1位である「宿泊業・飲食サービス」の場合、人間関係にストレスを感じて離職する人が多いです。接客業や教育業界にとって、この「人との関わり」は切っても切り離せないことでしょう。
しかしこの人間関係により、直接お客さんから感謝を伝えられたりと、仕事に大きな”やりがい”を感じることも少なくありません。
そして、なにより“コミュニケーションスキルを養う” 機会が多いのも事実です。
このスキルはどのような業種や場面でも役に立ち、後に転職やステップアップを考えているならば必ず活かすことができるでしょう。
人間関係はときに働く環境に大きく依存し、社会的に離職率を高くしてしまう大きな原因にはなりますが、反して「喜び」「やりがい」「コミュニケーションスキルの向上」が感じられるのも、この人間関係です。
離職率により職場を選ぶことは大事ですが、人によってはこれはメリットにもデメリットにも化けます。
他人の意見や離職率を重視するのではなく、「自分は将来的にどのようになりたいか?」を視野に入れて働き方を考えることが、今後の人生を豊かに変えるのではないでしょうか。
これからの働き方
離職率の高い業界は入れ替わりが激しくもあり、比較的転職が容易です。
「まずはスキルを磨き、数年後にステップアップ」と考えている人も多く、人生プランにおいて融通が利きやすいというのは大きなメリットとなるでしょう。
そしてこの融通が利きやすく柔軟性のある仕事は、これからの時代に大きな意味があります。
東洋経済オンラインの「3年後離職率」が低い200社ランキングによると、
就活生の人気が高い企業の常連である銀行は1社(行)もランクインしていない。
このようにあります。
銀行は収入が安定していて、将来的にも安心というイメージがありますが、就活生にとっては人気のランキングに入っていないのです。
もちろん“安定”を見越して仕事を選ぶことは大事です。しかし、ここ最近の日本の経済状況では、どこの会社でも安定は望めない。と考えている人も少なくありません。就活生だからこそ、リアルに肌で感じる部分はあるでしょう。
そしてまた、自分のやりたいことや生き方を模索し、生活スタイルに合わせて移住をしたりと環境を変化させる人も増えてはいないでしょうか。
もし今後の仕事をどうすべきか悩んでいる場合は、離職率ランキングの上位に位置する業界だからといって「その仕事が嫌だから人が辞めるんだ」といった角度から見るだけではなく、いかに自分のライフプランにおいて活用できるのか? といった視点からこれからの時代の働き方を考えてみてはいかがでしょうか。