認知症の症状は大きく2つに分かれていて誰にでも共通して起こる『中核症状』これは脳の神経細胞が少なくなっていくことで起こる症状のことを指しているんだ。
もう1つは『周辺症状』これは中核症状が現れた後に周囲の環境によって起こる症状のことなんだ。
へぇ、じゃぁ周辺症状は個々に違う症状が出るってことね。
そうだね。介護する家族にとっっては認知症の人格を変えてしまう周辺症状のおかげで介護がつらく負担になっていてね。
中核症状は脳の障害からくるものだから完治するのは難しいけど周辺症状は症状を抑えることは可能なんだ。それには家族が認知症の人に寄り添ったより良いケアをすることが大切だね。
認知症の人にとって一番身近にいる家族の支えが大切なことが分かったわ。じゃぁ、中核症状と周辺症状はどんな症状のことを言うの?

認知症の主症状となる中核症状

中核症状の中でも分かりやすく分類されてるんだ。次の5つを簡単に説明するね。

記憶障害

初期から必ずみられる物事を記憶することができなくなるもので老化による物忘れと間違いやすい症状だね。

理解、判断力の障害

予想外のことが起こると混乱したり、考えるスピードが遅くなってしまうんだ。

見当識障害

時間や場所などがわからないなどよく知ってる場所でさえわからなくなってしまうのさ。

実行機能障害

計画を立てたり、手順を考えれなくなるんだけどこれには個々に違いがあるから、仕事や日常生活に支障をきたしたときに障害があると考えられてるよ。

失行、失認、失語障害

失行はボタンがかけれない、シャツが着れない。失認は知っているはずのものの使い方が分からない。失語は声は出るけど言葉が出てこない、ものの名前がわからないことを言うね。

よく認知症の人が家から外に出て帰れなくなってしまうのはこの見当識障害から来るものね。けれど、これら全ての症状が一気に現れるものなの?
中核症状は脳の障害からくるものだから脳のどの部分の細胞が影響を及ぼしてるのかで症状も変わるし細胞が少なくなってくると症状も進行するよね。

周辺症状が家族を負担にさせる原因

次は周辺症状ね。これは中核症状を背景として起こるものよね。どんな症状かしら?
そう。周辺症状は中核症状にプラスされて起こるもので、1つ例をあげてみるよ!

お財布をなくさないようにタンスの引き出しにしまいました。財布をタンスにしまったことを忘れてしまう⇒『中核症状』。財布がないので家族の誰かに盗まれたと妄想して騒ぎ出す⇒『周辺症状』

こんな症状がでるんだ。感じがわかるかな?

うんうん、良くわかったわ!妄想以外にも他にあるのかしら?
妄想の中でも例であげた『物取られ妄想』は認知症の人に良く見られる症状だよ。他には、『幻視』というないものが見えるとか、『幻聴』という聞こえるはずのない音が聞こえるものや気分の障害も起こってくるね。不安怒りっぽくなったり黙り込んで沈んだ状態になったり、うつ病と間違われることもある症状だよ。

認知症の人を取り巻く周辺症状↓

せん妄 妄想 睡眠障害 不安
失禁 焦燥 拒食 徘徊
多弁 暴力 過食 不潔行為
異食 抑うつ 暴言 幻覚

認知症の人にも心はあるんです!

うわぁ!!!こんなにも色々な症状が現れるの??
全部が現れるものではなく前にも言ったようにこの周辺症状はまわりの環境性格、その人の人生観にもよって現れ方が違ってくるんだ。一番大事なことは、認知症の人にも心はあるんだ。
なぜ、徘徊や不潔行為をするのか?どうしてご飯を食べ続けようとするのか?そこにはその人にとってどんな意味を持っているのかを家族がきちんと考えていくことが大切だよ。
認知症の人の理解できない行動に家族の人は頭がおかしくなったと思い平気で暴言を言ったりする人もいるけど・・・・
認知症の人は傷ついてるんじゃないかな。本人だってどうしてこんなことになるのか不安なんだ。結果、家族の対応によっては症状の悪化を招いてしまうのさ。
そうね、認知症の人も1人の人間としての人格があることを忘れてはいけないわ。たくさん起こる症状は認知症という病気がさせてるんだと思えば、介護する家族の気持ちも少しは落ち着けそうね。

認知症かも?と思ったら早めの受診

あぁ、本当にその通りだね。これで認知症の症状が理解できたかな?
何か、少しでも認知症かな?と気になることがあれば、まずはかかりつけの病院で相談するか、専門の医療機関(神経内科・精神科など)の脳の画像診断の設備が整っている場所での受診をお勧めするよ。
最近は認知症外来物忘れ外来など設けてる病院もあるから調べてみるのもいいね。
病院に行くのは勇気がいるわよね・・・・本人も家族も。もし、認知症になってたらと思うと不安でいっぱいになると思うわ・・・
みんな同じ想いさ・・・誰だって認知症になって喜ぶ人なんていないよね。けどそこで迷ってると、認知症がどんどん進行してしまうのを放置することになるんだよ。
もし本人が嫌がったなら、無理やりじゃなく、心配してることを理解してもらって納得したうえでの受診であってほしいな。それじゃあ、少しでも不安がなくなるように僕から認知症の診断方法について説明させてもらうね!
うわゎ!!助かるわ!前もってどんな診断をするのかわかってれば病院に行くのも怖がらなくてすむもの!!
まず、受診する前の準備としていつ頃からどんな症状が出てきたのかメモしておくとスムーズに進むから事前に準備しておこうね!
はーーーい!!

受診の流れはどんなもの?

受診には本人と家族に問診を行うんだ。家族は本人の目の前だと話しにくい内容もあるかもしれないから別々で行う場合もあるね。その後に簡単な知能検査を行うんだ。
よく利用されてるのは『改訂長谷川式簡易知能評価スケール』かな。
それはどんなテストのこと?
これは医師の質問に答えるタイプで9項目からなるテストだよ。
「お歳はいくつですか?」、「100から7を順番に引いてください」といったもので30点満点で20点以下だと認知症の疑いがあると診断されるけど個人差もあるからね。一概には言えないかな。あとは脳の画像検査を行いその両方で総合的に判断を行うんだ。
ふぅぅぅん・・・
認知症の疑いがあれば、これからの治療方針を決めるためにも脳の画像検査は大切さ。一般的にはCTIやMRI、PETなどの画像検査で脳の萎縮具合や血流の異常などを調べて、どの程度進んでいるか確実に把握するんだ。だから認知症を疑うことがあれば、できるだけ早めの受診をしてほしいな。
なるほど!脳の画像検査をすることで、アルツハイマー型認知症なのか脳血管性の障害からくる認知症なのかより詳しく判断できるということね。
そういうこと!次は、どうして認知症になるのか一緒に考えてみよう!
了解です!認知症の種類がいくつかあったように原因についても奥が深そうね!
よろしくお願いします!!