僕は32歳になり、自動車整備士から異業種に転職しました。
社会人になった頃から、今までの出来事をできるだけ具体的に話します。ひとりの転職体験談としてお聞きください。
僕のリアルな体験談なので、整備士を辞めたい人や転職を考えている人とって参考になると思います。
整備士を辞めたい。でも「辞めるタイミングが分からない」
専門学校を卒業後に、僕は海外メーカー系のディーラーで自動車整備士として働き始めました。
正直なところ、僕は会社に入った新人の時からすでに「もう辞めたい」と思っていました。
いろんな工場があると思います。
ただ僕の勤務先はパワハラをするような先輩もいて、毎日会社に行くのが憂鬱でした。
1日1日真面目に頑張って働き続け、状況が変わる
他にしたい仕事もないので(趣味の写真の道に行きたい気持ちがあったが)、辞めたいと思いつつも一生懸命に働く日々が続きます。
それでも年月が経つと、自分にできる仕事も増えて環境も変わり、次第に仕事や車をいじるのが好きになっていく自分もいました。
この間に、会社を辞めていく同僚や先輩がチラホラといました。
それから整備士として数年経ったころ
この時は、工場の仲間にも恵まれ「まぁ楽しいかな」とも思えるようになっていました。
自動車整備士という仕事に前向きに考えようとする自分。でも、どこかで「俺はこのままでいいんだろうか?」という自分がいました。
辞めるタイミングが分からないんです。整備士であることにモヤモヤすることもあります。
理由は、先輩や上司を見て感じていたこと。
仕事にやりがいを感じている人が、僕が働いていた職場に誰一人としていませんでした。
そしてもう一つの理由。
このときは僕の視野も狭くて整備士という職業に対して「将来性がないよなぁ…?」という不安がありました。
今は居心地のいい仲間に恵まれているから楽しいけど、将来はどうなるのかな。
このとき26歳。
そうこう悩んでいるうちに僕は職場が移動になりました。
28歳になり初めて整備士から転職する
工場の移動があり、そのときの環境は非常に厳しいものでした。
新人のころは嫌な先輩もいたけど勉強にもなった。以前の工場ではいろいろあったけど、それでもやはり仲間に恵まれていたんだと気づかされます。
なんのために働いてるのか?
給料も少ないし
もう整備士は…終わりかな。
そんな気持ちが強くなり、モチベーションはどんどん低下します。今までになく働く意欲が湧かなくなりました。
もう……、これ以上は無理かな。整備士は辞める人が多い。自分もその一人になりそうだ。
そう思い、とりあえず他の仕事を探してみようと27歳のときに転職活動を開始しました。
この時、いろんな企業に応募して面接を受けましたが異業種に転職するのは難しかった記憶しかありません。
「車関係以外の仕事は無理かぁ」
そう考えながらも、1年後に縁があってディーラーではなく国内メーカーの工場で働くことになりました。
30歳。大けがをする
以前のような車の整備士とは違いますが、車関係の工場で働き始めます。
しかし、数年経ったころ仕事で大けがをします。現場は騒然。
すぐ手術して入院生活です。幸い元通りの暮らしに戻ることができましたが、心が折れました。
「もう辞めたい」
車が嫌いになりそうでした。
どうしようか。何して生きていこうか。
そのころ周りで独立する人が出てきたり、副業する人も出てきました。
僕も整備士で何かできないか? 車業界からは離れたいものの、他にできることがありません。
でも、せめて自分に良い環境で働けないか!?そんな気持ちです。
フリーランス整備士とアルバイト生活が始まる
いきなり独立とかは無理でしたが、副業関係のプラットフォームから仕事に繋がり、今ままでにない整備士生活が始まりました。
簡単な車修理と、カーナビやドラレコの出張取付専門家として僕はフリーランスで働くようになります。
毎日ある程度決まったような1日と違い、自分でも「新しいことをしている!」と新鮮な気持ちで新たな人生がスタートしました。
小遣い稼ぎにもなるのでフリーランス整備士として働く人って、わりといますよね。
ただフリーランスとはいっても、僕はそれだけで生活はできないのでアルバイトをかけもちして生計を立てるようになります。
他には収入源のひとつでWebライターとして記事を書いたり、いろんな人と出会うようにもなりました。
今でこそフリーランス整備士という言葉をたまに聞くようになりましたが、このときの僕は「これ一本でやっていくのは無理じゃないか?」という気持ちが強かったです。
そして、やはりいろいろ行動しても将来性がない気がするし…明るい未来が見えない…不安は募るばかり。
そんなときに今の会社と出会います。
自動車整備士を辞めて本当に良かった。現在は営業職
お客さんの繋がりで声をかけていただきました。商社の営業です。
正直なところ異業種すぎて、初めにお誘いを受けたときは「え…営業ですか?」と戸惑いました。
でもフリーランスで働いていたこと、その過程の営業やコミュニケーションスキルを買われた感じです。
初めは慣れないスーツが窮屈でしたが、予想以上に仕事が楽しいと感じるようになりました。
営業職という、今までとまったく異なった仕事内容に「やっていけるのか…?」と不安はありましたが、なんだかんだ30歳オーバーです。
性格も丸くなりましたし、若い頃と比べて考え方、視野も変わりました。
それに、ずっとどこかで車以外の業界で働いてみたいという憧れが叶ったので、正直とても満足しています。
整備士という職業は大変厳しくも、素晴らしい仕事です。ただ、個人的に働いてきた環境化では幾度となく辞めたいと思っていた車業界。大けがした時のことを思い出すと……自動車整備士を辞めて本当に良かった。そう思います。
今は僕が社会に出て整備士になったときと比べると時代も違います。
だから働き方にも選択肢があります。
数年前と比べると、副業をはじめたり異業種に転職するハードルは下がっていると思います。
そして、それがきっかけで第二の人生を歩むことになるかもしれません。
新人のころに辞めたいと思いながらも今まで僕なりに頑張ってきました。それで、たぶん遠回りもたくさんしてきました。
それでも今こうして充実した日々がおくれるのは、今までの仕事が無駄ではなかったからでしょう。
人生まだまだこれからです。頑張りましょう。