会社の辞めどき・タイミング「私の人生の背中を押した上司の言葉」

「仕事にやる気が出ない…」
「人間関係がストレス!」
「今の会社は給料が安くて将来性もない」

会社を辞めたいと思っていても人によって生活環境は様々。いつ辞めるべきなのか最適な答えが見出せず ” 辞めどき”のタイミングに悩む人は多いでしょう。

このページでは会社を辞めようと悩み続けた1人の女性の体験談を掲載しています。
退職を考えている人にとって参考になれば幸いです。

【体験談】会社の辞めどき・タイミング

東京都在住 30代女性(飲食関係)の体験談

働き続けても、あまり給料が上がることは期待できない会社に勤めていました。

「結婚したら辞めればいいかな。」「良い所があれば転職しようかな。」そのように思いながらも辞めるタイミングを逃して、今までズルズルと引っ張ってきたように思います。

他の会社で働いたこともなく、新卒のときから勤めていた会社を去るのは怖いものがあります。

しかし年々結婚して家庭を築いていく友人。キャリアを積んでいく周りの人々。女性としての幸せを考え、悩み、私の人生はこのままでいいのかという葛藤や不安でストレスはたまり「生きるのがしんどい」と思うようになりました。

そんな中、上司が体を壊して倒れました。

会社の上司が倒れる

毎日残業で夜遅くまで会社に残り、休みの日もずっと働いていた上司でした。

幸い重い病気ではなくストレスや過労ということで数日入院。そしてそのあと自宅療養ということで数週間ほど会社を休んでいました。

その後、職場復帰した上司とゆっくりお話をする機会がありました。

このように話してくれたと思います。

ずっと会社のために働いていたけど、休んでいた期間にたくさん考えたと思う。
今までは仕事が忙しくて考える時間を持てなかった……というより悩むのを避けていたのかもしれない。もっと自分のために時間を使おうと思ったよ。

上司は今まで個人的な感情を交えて話しをするような人ではありませんでした。
そして、そのことが部下である私の心の “つっかえ” を取っ払ったと思います。

私はこのとき初めて自分の気持ちを人に話したかもしれません。

10代20代の頃は素直だったこと。

しかし年齢を重ねるにつれて周りの環境が変わっていき、焦り、会社の辞めどきやタイミングで悩んでいたこと。

誰かに非難されるわけでもなく自分で自分を “勝手に” 苦しめているだけなのに、周りの人たちを見ては落ち込んだり、生きるのがしんどくなっていたこと。

会社に対する不満から、個人的な不安・気持ち、今後の生き方などすべて吐き出したように思います。どこかでずっと我慢していたけど、誰にも話すことのない自分の気持ちを正直に話しました。

上司は私の話に驚くこともなく、倒れる前とは違ったような雰囲気で、優しくそして丁寧に言葉を選びながら相談にのってくれました。

話していくうちに、当時の私に上司からの多くの言葉が身に染みました。

「自分の人生なんだから、人と比べずにやりたいことをすればいいと思う」

「体を壊してやっと分かったけど、やりたいように生きるなんて簡単に与えられた選択肢なんだ」

「君は、後悔しないようにやりたいことをやりなさい。体を壊してからでは遅すぎるよ。」

「辞めどきをずっと考えているなら、ずっとこれからも考えるかもしれないね」

「それでも良いと思えるなら、このままでも良いと思う」

「でも、ずっと辞めるタイミングを考えて過ごす人生が嫌なら、今が辞めどきじゃないかな」

私は、ずっと辞めたいと思っていたのです。でも、周りと比べて「今以上に何かを失うかもしれない」ことが怖かっただけなんです。

怖いも何も、もっと幸せに生きる選択肢があるのに。

若いときは好きなようなことをして生きていました。家族に守られ、怖いことがなかったのかもしれません。でも、いつの間にか自分で生きることを、自分で道を選ぶことをしなくなっていました。

辞めるタイミングは今。会社を辞めると決めた

「この先も同じように辞めたい、辞めよう」と悩み続けていくのなら……上司との会話が、私の背中を押しました。

振り返ってみれば、私は会社を辞めたいのにも関わらず、“なにかにつけて「辞めないでいい理由」” を探してたと思います。

「人生はこんなものだから仕方ない」

「今は我慢のとき、成長するために頑張る」

「今の状況にどれだけ恵まれているのか分かっていない。辞めたところで私を必要としてくれるところがあるかなんて分からない。」

このような理由です。

もちろん会社にいたことで自分が成長できたこともたくさんあります。たくさんの人に助けられ、社会の厳しさを知り、そして優しさを知ったと思います。

ただ、会社に残り続けて良いと思うところだけを集めて、自分自身で生きにくくさせていることにも気づきました。

今までの自分とは別の道を歩んだとしても、成長する気持ちや感謝を持った上で、その上で現実的にどうすればいいか考えて行動すればいい。若いときの私とは違って、きちんと成長もしている。30代ならではの生き方をしよう。

周りと比較せずに自分が幸せだと感じる生き方をしよう。

私は、いつだって幸せになれるんだ。

2ヶ月後、引継ぎなどをして私は会社を去りました。

今、会社の辞めどきなのか分からずに悩んでいる人へ

今、会社の辞めどきなのか分からずに悩んでいる人へ

人によっては、「今の会社でもう少し頑張った方がいいのかな。」「同僚や後輩が退職したからタイミングをズラした方がいいのかな」
そんなふうに考えて会社の辞める時期を判断する材料、自分を「納得」させるなにかを探している人もいるかもしれません。

ほかにも結婚や出産、パワハラだったり、私と同じように人と比較して苦しんでいる人もいるかもしれません。

だけど、どこにも答えなんてありません。今悩んでいることを先延ばしにしてずっと悩んでいる自分を想像したとき、どう思うでしょうか?

私は今、以前とはまったく別の環境で仕事をしていて毎日がとても楽しいです。別の仕事だって、出会いだって、環境を変えるとたくさんあることを知りました。
辞めて良かった。

あの頃の私は辞めるタイミングを人事のように待っていたと思います。ずっと。
でも以前の会社の上司が私に大きな力をくれました。
会社に残ったままでいる “自分の未来” を想像したとき、自分は変わらず周りは変化して、悩みはもっと増えていくんだろうな。もっと生きるのが苦しくなるんだろうな。そう思ったのです。すると「自分が変えないと!」と、いてもたってもいられませんでした。

もし会社の辞めどきが今なのかどうなのか分からなくて悩んでいる人がいたら。自分の未来も大切にしてあげてほしいです。
辞めるタイミングは、自分で作るものだと思います。