老人ホームは高齢者が暮らす施設ですから、もしもの時に備えてスタッフが夜間も施設にとどまり対応を行う必要があります。
これらは夜勤扱いとなりスタッフの勤務時間帯を考慮してシフトが組まれることが多いですが、夜勤専門で人員を募集していることも少なくありません。今回は老人ホームの夜勤で気をつけるべきことをまとめてみました。
スタッフが少ないからこそのリスク
夜勤は利用者さんも基本的に寝ていますから、スタッフの数がグッと減ることになります。夜間すべき仕事内容としては、トイレの介助やおむつ交換など。しかし、日中にはないようなトラブルが起きることもあり、夜勤勤務は非常に不安に感じるスタッフも少なくないようです。
人員が不足しがちな施設は、夜勤スタッフが利用者さんの人数に見合わないケースも見られますので、早急な勤務態勢の見直しなどが必要になるでしょう。
ある程度スタッフが確保できれば交代で仮眠を取ることもできますが、現状ではそれができていない施設も多いようです。
夜間の徘徊(はいかい)に注意!
認知症の入居者が多い場合に注意すべきなのが、夜間の徘徊です。施設内はもちろんのこと、急に窓や玄関口から外に出て行ってしまい、姿が見当たらなくなるといった可能性も考えられます。
徘徊する可能性がある人は事前にしっかりとチェックしておき、目を離さないようにしておくなどの対策が必要になるでしょう。
また徘徊ほどではありませんが、眠れずに他の入居者やスタッフにちょっかいを出したがるケース、突然奇声を発するケースなども見られます。
体調の急変に備える
決して多くはないですが、覚悟しておきたいのが利用者さんの体調の急変です。
日中は看護師がいる施設であっても夜間はいないというケースがほとんどですから、万が一に備えて適切な対応をとれるような知識や経験が必要になるでしょう。
このような事態ともなれば誰もが焦りや不安を抱えてしまいがちですが、介護の現場で働く人間としてすべき行動を正しく行っていこうとする気持ちが大切です。
夜勤と日勤、どっちがやりやすい?
日中の目まぐるしい忙しさに比べれば、夜勤のほうがゆっくりできるのではと感じる人も多いかもしれません。実際に介護の頻度は夜勤のほうが少ないですし、施設利用者さんと会話するなどしてコミュニケーションをとる時間も少ないもの。自身の性格上、夜勤のほうが静かに落ち着いて仕事ができると考えている人もいるはずです。
しかし先にあげたようなもしもの事態はいつ起きるかわかりませんから、常に気を張っている必要があります。給与も高めに設定されていますが、その分責任も重大であることを覚えておきましょう。
また、シフト制で夜勤も日勤も両方こなしているスタッフであれば、利用者さんの性格や行動パターンをある程度把握しているはずですが、夜勤専門のスタッフの場合はそうもいかないもの。
夜勤スタッフの人員不足を補うために採用されているのならまだしも、夜勤専門スタッフだけで夜勤勤務をすることは非常にリスクが高まりますので注意が必要です。他のスタッフとしっかりと連携をとりながら最善の対応をできるようにしておきましょう。