元SE 吉村さん(34歳)の体験談を掲載しています。
再就職がうまくいかずに後悔や焦りの中、ストレスで吐き気がする日々を送っていました。
でも今では少しずつ生活も向上して、平和な毎日を過ごさせていただいています。
SEとして働き精神的に追い詰められて退職した
5年前までSEとしてシステム会社で働いていました。
20代前半の頃はまだ体力もあり問題なかったのですが、当時勤めていた会社の経営が悪化したことにより少しずつブラック企業と呼ばれるような勤務体形に変わっていきました。
(いつかはきっと楽になる…)
そう思いながら将来への不安な気持ちを考えないようにして、気がつけば20代後半。
残業は当たり前で、日が変わるまで仕事なんて日常茶飯事。
家に帰ると布団に倒れこむように寝て、朝起きてはゲンナリしながら出勤していました。
来る日も来る日も仕事。
辞めるまでの数ヶ月は自分でもよく覚えていません。正常な思考もできずに仕事をしていたと思います。
そして、私は精神を壊しました。
精神疾患と休息
このとき親には大変お世話になりました。自分が情けなくも感じましたが、精神疾患もあり仕事ができる状態でもなかったので退職。たくさんの人に迷惑をかけましたが、もうどうしようもなかったのです。
退職してからは、何もせずにのんびりした生活でした。
療養期間中のことは特に書くこともありませんが、半年ほど休んだあたりから再就職のことを頭の片隅で考えていたと思います。
1年たったら就職活動をしよう。
そして、退職してから1年が過ぎました。
仕事が決まらない
療養期間はできるだけ将来のことを深く考えないようにしていましたが、なんとなく再就職はストレスの少なそうな会社を選ぼう……と思っていました。
ハローワークや転職サイトを利用しながら、良さげな会社はないかな~と仕事を探して、3ヶ月で50社ほど応募したと思います。
このとき30代でしたが、数回に1度は書類選考をクリアできました。
しかしずっとパソコンで仕事をしており知識が偏っていたことや、うつ病により1年ほどブランクがあったために面接では散々。退職理由がうまく話せず、自信もなく失敗の連続でした。
一向に仕事は決まらず、どんどん気分が落ち込んでいきました。
また失業保険は切れていたので収入がないことの焦りもありました。
家族への申し訳なさもです。
ストレスで気持ちがグラグラになり、面接に向かうだけでも吐き気がするほど気分はドン底。しかし、なんとか仕事を見つけなくてはなりません。
退職したことの後悔や自分の無力さなど不安やストレスと向き合いながら、仕事を探しては求人に応募。そんな繰り返しの毎日の中、ふと面接をサポートしてくれるサービスを見つけました。
これが、私にとって大きな出会いとなりました。
出会った転職サポートの担当者さんが同じ境遇だった
はじめ、面接のサポートとはなんだろう? という気持ちでした。
(学生でもないし面接の練習なんて……)
しかしそうも言ってられないのが現状。実際問題、面接で手ごたえを感じることは少なく、自分の考えを面接官にうまく伝えられる事はほとんどありませんでした。
この見つけた転職サポート会社は、給料交渉など転職に関することを全面的にサポートするという会社でした。(なんとか、今の自分を変えないと…。)もう何でもいいから職に就きたかったので、私は利用することにしました。動きたかった、とにかく仕事をしたかったのです。
登録してから担当の方から電話がかかってきました。分からないままに思ったことを話したと思います。
今すごく不安に思っていること。
前職のこと。
退職にいたった理由や面接がうまくいかずに仕事が決まらないこと。
思いのままに伝えました。
すると、担当の人からこのような返答が返ってきました。
どうやら私についた担当者さんは、たまたまなのか過去に私と似たような経験をしたことがある人でした。
私はそれを聞いて安堵感と共に大きな勇気をもらい、やっと前を向くことができたと思います。
そして、以前働いていた会社を辞めてから1年半が過ぎた頃、私の再就職先が決まりました。
仕事が決まり、少しずつ自信を取り戻す
今考えると自分で仕事を探すよりも、プロに頼った方が相性の良い仕事を紹介してくれるのは当たり前かもしれません。いくつかの仕事を紹介してもらって、ありがたく正社員で内定をいただきました。
このとき、止まっていた自分の人生が再び動き始めたような、そんな感覚になったのを覚えています。
仕事はデイサービスで介護士として働くことになりました。
始めは不安だらけでしたが、この介護士の仕事が私にとって本当に相性が良かったです。
ずっとデスクワークだったので、始めての仕事内容は分からないことだらけ。すべて未経験でしたが、それでも少しずつ業務を覚えていきました。
デイサービスの利用者さんの話しに癒されることもあったり、元気づけれらることもありました。もちろん失敗したり落ち込んだりすることもありました。
ただ体を動かすことで気分も違いますし、人から感謝の言葉を直接言ってもらえるのは心が救われます。
退職前のSEの生活に比べると給料は減りましたが、自由な時間は増えましたし、時給換算すると今の方が確実に割りの良い仕事だと思います。
それに療養期間は家族に迷惑ばかりかけていたので、”人から頼られること” がとても嬉しく思いました。
さいごに。仕事が決まらない人が見ているならば。
現在私はデイサービスで働きながら、普通の生活ができています。
普通といっても今の世の中は職種によって生活スタイルが異なるので何が普通か分かりませんが、毎日18時、遅くても19時には事務所を出ています。
当時の生活を振り返ると恐ろしいものがあります。本当に。
もちろん現状すべて望んだ環境や待遇で仕事ができているかというと、そうではありません。
しかし再就職できたことで収入も安定して、精神的にも肉体的にも健康になり平和な日常が戻ってきました。たまに知り合いから声がかかり、土日などの空いた時間に副業だってできる余裕もあるほどです。収入も少しずつですが、増えてきています。
仕事が決まらない人へ
思ったように仕事に就けなくても、自分だけでなんとかするのではなく知人を頼ったり、転職サポートを頼ったり、またバイトなどを始めたりするのは大切だと思います。
それが再就職への近道のように思います。
面接で落ちるだけの毎日は本当に苦しいです。
だから “求人を探しては応募する” 以外に他にできることはないか? と視野を変えてみることが私は大事だったんじゃないかと思います。
仕事が決まらないという現実は、受け入れるしかありません。
ただ、いつもと違う行動を起こすことで違った視点で物事を考えられることもあると思います。
現状を変えるのは些細なことかもしれません。結局、未来を作っていくのは自分だと思います。