当時、僕はバンドを組んでいました。
音楽で生活したい夢を持ちながら、「30歳までに売れるチャンスがなければ諦める。」と決めていて、それで夢は叶うことなく30歳になり就職の道を選びました。
夢の諦め
バンドの仲間は田舎に帰ったり、それぞれの道を歩み始めました。
現実的に考えた結果です。
前々から決めていたので、どこかスッキリとした気持ちもありました。
学生時代に始めたバンド活動が、いつの間にか「音楽で生活していきたい」と思うようになり良い夢を見たと思います。
それで僕は小売店向けの営業職として働き始めるようになります。
仕事がうまくいかずに落ち込む時もありましたが、大きな波もなく第二の人生を歩んでいたと思います。
サラリーマンとして順調に業務をこなし、当時から付き合っていた人と結婚して家庭をもつようになりました。
20代はバンドが主軸だった日々でしたが、こうして振り返ってみると人生どうなるか分からないな。と思います。
それから数年が経った頃。
仕事に大きな不満はないものの、将来に不安が出てくるようになりました。
このまま今の会社にいていいのか。
音楽の道をやめて安定した人生を選んだけれど、将来的に今の会社は大丈夫なんだろうか……。
ネット通販、スマホ、AI…変わっていく社会に今の会社は生き残れるのだろうか。
衰退していく業界に身を置くことに疑問を感じるようになりました。
バンドをしていた経験から肌感覚で分かっていたことですが、世の中は需要に合うかどうかが大事です。自分がやりたいことかどうかは別の問題。
どんなにクオリティが高い音楽でも、時代に合っていなければ「売れる数」が基本的に少ない。分母が少ないから。
そうなると商売は成り立ちません。つまり生活ができません。
だから逆に時代に合っているものを発信することで多くの人に求められ、その分対価も大きくなりますよね。
このまま今の会社にいていいのか……
ここ数年は会社の売り上げが大きく下がっていたこともあり、会社の先行きが不安で転職が頭をかすめます。
しかし30代で時代に求められるほど自分にスキルはなく、妻も子供もいます。簡単には動けません。
しかしもしものために、今の会社が倒産したときのために、何か他に収入を増やす手立てでも……
そう思って転職や個人で仕事を始められないかと考えるようになりました。
ニッチな副業はどうだろう
家族と話して30代から転職するよりも、また別の道を考えようという結論になりました。
正直なところ、今とは違う業界に転職できたとしても一から仕事を覚え直すほど前向きになれなかったんです。
それで、やっぱり手に職か…どこでもやっていけるような柔軟性って強いよな。
そんな仕事はないかと思いを巡らしたところ、そういえば今の会社でしている仕事にバンド活動の経験が活きてるな。とピンときました。
ポップ制作やパソコンのちょっとした制作スキルも、もともとバンドをしていた時に培われたもの。
そんなスキルと今の営業職で、世間の需要を満たせないものだろうか?
いちサラリーマンが、個人でも今後やっていけそうなアイデアはあるかな?
そこで需要について、改めて考えました。
今は需要がそこまで多くなくても、少しずつ社会に認知されて必要とされているものとか……ニッチな副業はどうだろう??
考えを巡らし、流行りのクラウドソーシングにいきつきます。
サラリーマンが収入源を増やすには…資料作成の代行を始める
バンド経験や営業職の経験から「人に物事を伝えるのが自分は得意かもしれない。」と考え、プレゼン資料を代行する方面で考えました。
調べてみると副業でやっている人も、まぁまぁ多いと分かります。
ただ個人間取引が多いような傾向。
対企業はどうだろう?
資料を必要とする会社なんて山のようにある。それこそ需要が多いし伸びしろがあるんじゃない?
・企業向けの資料作成代行
・提案資料や営業資料
・コンテンツ販売に向けた資料作成
・大学講義の資料作成
考えただけで、いろんな方向性に光るものがあるかも……と思いました。
それで少しずつ個人で仕事を始めるようになりました。
ただ、このとき副業と呼べるような稼ぎはありませんでした。
そんな矢先です。
2020年の2月初め。ニュースでコロナのことを知り、瞬く間に社会が変わりました。
コロナ禍でリモートの需要が一気に増える
外出するにも制限されたりとガラッと生活が変わり、多くの企業が大打撃を受けたと思います。
世間ではテレワークという働き方を模索したり、駅近くの飲食店ではシャッターに「閉店しました」の張り紙が見えたり……先行きの見えない日々が始まりました。
それから半年ほど経ち、自分が担当している関わりのある会社も規模を縮小したり、同級生が職を失ったという話も聞きました。
ただ、リモートの需要が格段に伸びたことで僕個人の資料作成代行の事業が飛躍的に伸び始めました。
仕事の依頼に関わる連絡や通知が毎日のように入るようになり、会社から帰宅後もすぐ個人の仕事。
平日の夜は資料を作成する生活になりました。
忙しくなりましたが、世間で仕事がない……とされる中、妻が「仕事があるってありがたいよね。将来的に、この方向もありじゃない?」と嬉しそうに話していたのが印象的です。
僕自身も30代にして将来に希望が持てないと感じていたのが、どこか気持ちが晴れていくのが分かりました。
そして現在
個人の仕事は落ち着きつつも順調で、勤めている会社も少しずつ業態を変えつつあります。
やはり時代に合うように働き方を変えていかないと、安定というものはない。公務員でもない限り、安定した仕事はない。そういう時代なのかと思います。
だから今後伸びる業界に身を置くのは気持ち高めるという意味で良いと思いますし、また僕の選んだ道ですがジャンルがニッチな副業はやり方によって継続収入が見込めるのでサラリーマンに良いなと思います。
僕がしている資料の作成代行にしても地味に儲かる副業として言われることもあります。まぁ資料は紙媒体でもデジタルでも、いろんな会社が必要なので当分無くなることもないでしょう。
世の中に会社がある分、資料は必要だしAIに代替えされることも考えにくいです。
今後も本業、個人の仕事で頑張っていきたいと思います。
資料作成はスキルアップもできる