社会福祉士は国家資格のため、国家試験に合格する必要があります。
しかし国家試験と聞くと難易度が高いと感じてしまう人も多いはず。今回は、社会福祉士国家試験の概要や合格率をご紹介しましょう。

試験と傾向

社会福祉士国家試験の問題傾向

社会福祉士国家試験は、財団法人社会福祉振興・試験センターによって行われています。2014年現在、試験科目は19科目あり、指定科目と基礎科目とにわかれています。

主な科目内容

1.人体の構造と機能及び疾病

(身心機能と身体構造の概要、健康の捉え方、リハビリテーションの概要など)

2.心理学理論と心理的支援

(人の心理学的理解、日常生活と心の健康など)

3.社会理論と社会システム

(現代社会の理解、社会問題の理解など)

4.現代社会と福祉

(福祉の原理をめぐる理論と哲学、相談援助活動と福祉政策の関係など)

5.地域福祉の理論と方法

(地域福祉の主体と対象、地域福祉の推進方法など)

6.福祉行財政と福祉計画

(福祉計画の意義と目的、福祉計画の実際など)

7.社会保障

(社会保障の財源と費用、公的保険制度と民間保険制度の関係など)

8.障がい者に対する支援と障がい者自立支援制度

(障がい者総合支援法における組織及び団体の役割と実際など)

9.低所得者に対する支援と生活保護制度

(生活保護制度、生活保護制度における多職種連携など)

10.保健医療サービス

(医療保険制度、診療報酬、保健医療サービスの概要など)

11.権利擁護と成年後見制度

(日常生活自立支援事業、権利擁護活動の実際など)

12.社会調査の基礎

(統計法、量的調査の方法など)

13.相談援助の基盤と専門職

(社会福祉士の役割と意義、相談援助の理念など)

14.相談援助の理論と方法

(相談援助の概念と範囲、専門職論理と論理的ジレンマなど)

15.福祉サービスの組織と経営

(福祉サービスに係る組織や団体、福祉サービス提供組織の経営と実際など)

16.高齢者に対する支援と介護保険制度

(高齢者福祉制度の発展過程、介護予防など)

17.児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度

(児童虐待の防止等に関する法律、母子及び寡婦福祉法など)

18.就労支援サービス

(就労支援制度の概要、就労支援分野との連携と実際など)

19.更生保護制度

(更生保護制度の担い手、医療観察制度の概要など)

社会福祉士国家試験の合格率の推移

合格率

平成22年(第22回) 27.5%
平成23年(第23回) 28.1%
平成24年(第24回) 26.3%
平成25年(第25回) 18.8%
平成26年(第26回) 27.5%

試験はマークシート方式で年1回実施され、1問1点の150点満点となります。
受験者数は43,000人前後でここ数年の合格率にそれほど変化はありませんが、25%前後と決して高い数字とはいえません。3種類ある福祉系の国家資格のなかでは、合格率は低めといえるでしょう。第25回での試験結果では、福祉系大学などの卒業者が全体の6割ほどで、養成施設の卒業者が4割ほど、その他の割合は非常に少ない値となっています。

年齢別でみると30歳までが全体の半数ほどで、31歳から40歳までが2割ほど、41歳から50歳までが1.5割ほどです。

社会福祉士試験のための対策

試験対策のための書籍が数多く発売されていますので、それらを使って勉強するのが良いでしょう。
また対策スクールなどを利用する手もあります。出題範囲が多岐にわたりますから、過去問や用語集などにも目を通し、なるべく早い段階から学習をはじめることをオススメします。
仕事をしながら勉強をする場合は空き時間などを有効に活用しましょう。