(都内在住 – 営業関係(男性)の話を掲載)

新卒で入社した会社を辞めたいと、後輩が漏らした理由が忘れられない

「頑張ってもいつか報われるイメージがまったくない」

そう、後輩が言った。

そんなたいした事のない「甘い考え」の発言かもしれないですが、会社を辞めたいと思っている後輩が、その考え方にいたった背景が、これからの会社作りの参考にできるなと思ったので紹介します。

ちなみに後輩は辞めていません。

新卒で入社した後輩が会社を辞めたい理由の背景

最初に辞めたいという話を聞いたときは、正直、

(社会に出て1年も経たない君に何が分かるのだろうか)

とは思いました。

しかし、日ごろから「否定する前に相手が何故そう思うのか、何故その行動を起こしたのか、まず聞け」という会社の考えのもと、とりあえず

「なぜそう思う?」と理由を聞いてみました。

すると、

自分の父親や友人の親がリストラにあったり、身近な人がどんなに頑張っても給料が上がらず仕事だけが増えて苦労しているのを見ている。

生まれたときからテレビやニュースでずっと不況不況と言われている。
そんなんで頑張ってもいつか報われるイメージがまったく沸かない。

なるほど。
だから「仕事を辞めたい」につながる発想は今回は置いといて、私は彼が話すことに興味が出ました。

正直、後輩の理由によっては「だからこそ結果を出すために頑張るんだろ?」といった言葉を頭の中で準備していましたが、これでは説得力がないなと。

確かにメディアでは不況と言われ続け、その感は否めません。

「景気回復か!?」とたまに新聞などの見出しが目に止まったとしても、それは「現実は景気が悪い」と言っているそのもの。

これは環境によってはある意味メディアなどの洗脳に近いものがあり、また身近な人でリアルにそれを感じているとなると、私だって彼と同じような考えになるかもしれないなと。

また、話の流れで

僕もそうですが今の大学生はもっと、すでに社会に出る前から不況の苦労を感じて育っていると思います。

数年先の僕達を見ているから、余計にそう感じるのかもしれませんが。

もちろん彼は自分が生きてきた経験上そう感じるのであって、同じ年代の人すべてがそうではないでしょう。

しかし、彼の言っていることに納得する部分はあるし、自分にとっては当たり前だと思っている仕事の向き合い方と、時代の背景から来ている考え方のギャップは大きいかもしれない。

この差を埋めずしたままで業務を行うのはおそらく効率が悪く、今後の仕事の教え方に関わってくるなと。

バブルを知らないことの影響

バブルを知らないことの影響

「新人はやる気がない」「すぐに辞める」といった声が出る大きな理由の1つだと思うのですが、バブルだったり景気が良いことがどういうことか、10代~20代の人たちは、知らないということ。

後輩の話を聞いていくうちに分かってきた点の1つで、

それは、知識として「知らない」のではなく歴史の教科書に書かれているような感覚ということです。

リアリティがまったくないので「鼻から苦労しても得られるものがない」といった思考になる。

これは、むしろ通常の反応だなとも思いました。

私達は、ある程度の成功や失敗という経験と概念があるので、努力をします。数字を上げようと努め、良いものを作ろうとします。

しかし、成功という概念がもともと絵空事のような社会というイメージで育ったとなると、道標がない中でただ進むよりも、むしろこの年代にとっては冷静に物事を見ているともとれます。それが良いこと悪いことという話ではなく。

そうなると、彼に対して、まずは私自身の視点を変えるべきだなと思いました。

例えば、

「何も考えず、苦労が嫌だから努力しない。」人

「努力しても結局は苦労している人を見て、そう伝えられて育ってきたから、努力の価値が見出せない。」人

この両者では、仕事の指示の仕方、教え方が変わるということです。

社会の厳しさを教えることが、的を得ていない場合がある。

後者は先入観を払拭させ、成功を伝えることができたらなら、視野を広くすることができれば、ものすごい勢いで努力する可能性を秘めているということ。

上司は新人が会社を辞めたいと言ってきたときに何ができるか

「新人は働く熱がない」
「会社を盛り上げていこう!目標を持って頑張ろう!と、何故思わないのだろう」

このような声を聞くことがありますが、それはいくら頑張っても叶えられないという先入観を持っていたり、不況という時代の中でずっと育っているからかもしれません。

しかし、後輩や部下への指示の出し方、教え方、自分自身の視点を変えると見えてくるものがあります。

私の後輩は辞めたいと思っていたものの、今は見ていて明らかにやる気を出して仕事をするようになりました。

私がしたことは、

  1. まず辞めたいと言ってきた理由の、根本的な背景からしっかりと聞いたこと。
    これにより私自身の視野が広がり、指示を出す方法が増えました。
  2. 後輩がした仕事に対して、それが仕事の上でどのような成功につながったかを伝えたこと。
    そしてそれを繰り返したこと。

この2つより、徐々に徐々に、後輩が仕事に対する取り組む姿勢が変わっていきました。

もちろん人は十人十色なのでいろんなケースがあるでしょう。

ただ、そのケースの1つとして新卒入社の後輩が「仕事を辞めたい」と言ってきたときは、まず自分自身の視野を広くしてみると、今後「売り上げを驚く程出す新人」に化ける可能性を秘めている絶好の機会になるかもしれません。

げんきワークでは体験談を募集しています。

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