介護福祉士とは|なり方&仕事内容&給料

目次
1.介護福祉士とは
2.介護福祉士の具体的な仕事内容
3.介護福祉士になるには
 3-1.合格率について
 3-2.勉強方法
4.介護福祉士のお給料・年収・将来性

介護福祉士とは

介護福祉士とは、介護の高い専門的知識と技術をもって介護業務にあたる人をいいます。介護福祉士は1987年(昭和62年)の社会福祉士および介護福祉士法によって定められた国家資格です。

本来なら介護のスペシャリストとして、介護の現場で重宝されるべき資格なのですが、この資格は名称独占であり業務独占ではないため、いまいちこの資格の必要性が現場では求められてきませんでした。

(名称独占とは・・・例えば、医師という資格は名称独占であり業務独占でもあります。医師資格を持たない者が、勝手に医師として名乗ったり手術をしたりすることはできません。しかし介護福祉士の場合は、介護福祉士の資格を持たない者が介護福祉士を名乗ることはできませんが、同じ業務をすることは許されています。介護福祉士でない者が介護業務を行うことは問題ありません。)

介護福祉士とは
ただし、現在この状況も変わりつつあります。国の方針で質の高い介護サービスを維持するために、この介護福祉士の待遇改善や地位向上を目指しています。今後新設される予定の認定介護福祉士も、この介護福祉士を取得していないとなることができません。

介護福祉士は介護業界でのキャリア形成を図るうえで、欠かすことのできない必須の資格となっていきます。今後はますます重要な資格となります。

介護福祉士の具体的な仕事内容

介護福祉士の仕事内容は身体介護が中心ですが、介護の専門家としての知識も豊富なため、相談に乗ったり、アドバイスをするといった仕事も含まれます。

介護福祉士の具体的な仕事内容もう少し具体的に解説すると、身体介護とは食事・排泄・衣服の着脱・入浴などの介助や、ベッドから車イスへの移乗や自動車への乗り降り、歩行に不安のある方の歩行介助、車イスでの移動など、実際に利用者の身体の動きに関わる介護です。

ここで求められるのは利用者ひとりひとりに合わせた個別対応です。なぜなら、身体状況はひとりひとり違うのでベストな介護の方法も変わってきます。

例えば、脳梗塞を原因とする半身マヒの方はたくさんおられますが、左半身がマヒの方と右半身がマヒの方に別れます。身体を起こす動作や歩行介助にあたる場合に、右側につくのがいいのか左側につくのがいいのか、これはどちら側にマヒがあるのかで変わってきます。

他にも同じ車イスの方でも、腕の力がある程度残っている方と、腕に力が入らない方では、介助の仕方が変わってきます。このように利用者ひとりひとりに合わせた介護をするためには、ある程度の高齢者特有の疾患や身体障害に関する知識(医療の知識)も必要になります。

相談業務やアドバイスについては、利用者だけでなく、その家族の相談に乗ることもあります。基本的に介護福祉士は生活相談員にはなれないのですが、都道府県によっては条件を満たせば、介護福祉士でも生活相談員になれます。

仮に生活相談員でない介護福祉士であっても、利用者の声にしっかりと耳を傾けることは、必須の業務になります。

介護福祉士になるには

介護福祉士になるには

介護福祉士になるには、国家試験に合格する必要があります。以前は厚生労働大臣指定の介護福祉士の養成施設を卒業すれば資格を取得できましたが、その制度は平成25年度で終了しました。

現在は養成施設を卒業して国家試験を受験するか、介護の実務経験を3年積む+実務者研修を修了して国家試験を受験するかの2つのコースがあります。

年齢が若ければ福祉系高校や福祉系大学に通って介護福祉士を目指す方法がいいのかもしれませんが、すでに介護事業所などで働いている方は3年の実務経験を積んで受験する方がほとんどだと思います。
働きながら目指す場合は時間をうまく管理して効率よく勉強する必要があります。ただ、試験の難易度はそれほど高くありません。一定量勉強できれば、合格できる可能性は高いです。

合格率について

試験の実施年 合格率
平成22年 50.2%
平成23年 48.3%
平成24年 63.9%
平成25年 64.4%
平成26年 64.6%

合格率は近年では約60%ほどです。国家試験としては簡単な部類に入る試験なので、まだ資格を持っていない方は、身構えずにチャレンジしてみてください。

勉強方法

勉強方法

勉強方法はまず、過去問をやってみることをオススメします。過去問をやってみて出題傾向をつかみ、苦手な分野を中心に勉強するのが早道です。

一定の正解数で合格できるので、難しい問題を頑張って解くよりも、簡単な問題を取りこぼさないようにすると合格する可能性があがります。

過去問は公益財団法人の社会福祉振興・試験センターが運営するサイトで介護福祉士国家試験のページから過去3年分の試験問題が無料でダウンロードできます。

他にも「介護福祉士 過去問」というキーワードで検索すれば、過去問を提供しているサイトがたくさん出てきますので、参考にしてください。

介護福祉士のお給料・年収・将来性

給料・年収について

介護福祉士のお給料・年収・将来性

介護福祉士のお給料の相場は月給で20万円前後、年収は250万~350万ぐらいが一般的なようです。介護福祉士ということで資格手当がつく職場もあるようです。

平成25年度の賃金構造基本統計調査によると、介護施設職員の平均年収は307万円となっています。介護施設職員イコール介護福祉士ではありませんが、この数値はほとんど変わらないはずです。

お給料は決して高いとは言えませんが、社会福祉法人が運営する事業所の場合は、福利厚生がしっかりしている場合が多いようです。

お給料をあげるためには、管理者や施設長などのポストにつくか、ケアマネージャーや社会福祉士などの資格をとって、できる業務を増やしていくのが一般的です。また、今後は認定介護福祉士といった新たな資格もできますので、その資格をとればより介護のスペシャリストとして重宝され、仕事内容やお給料も充実してくるはずです。

将来性について

介護福祉士は平成26年の時点で約100万人の有資格者がいます。この有資格者の方全員が介護の仕事をしているわけではありませんが、半数の約50万人の人が介護業界で働いています。

介護業界の労働者数は約150万人ですので、その3分の1が介護福祉士ということになります。ですので、介護福祉士という資格は希少性のある資格ではなく、ごく一般的な資格ということになります。

将来性を求めるのであれば、やはり他人から一歩抜け出さなくてはなりません。幸い社会福祉士や認定介護福祉士といった介護福祉士にとって目指しやすい資格は、ますます需要が高まるので将来性も抜群です。

まとめると、より上位の資格を取得できるならば介護福祉士の将来性は◎
何もしなければ△といったところだと思います。