きっかけは福岡裁判
前回の記事 柔道整復師は介護でも活躍できるのか で教えてもらったけど、平成10年から、柔道整復師の養成施設が急増したのよね? それはなぜなのかしら?
きっかけは福岡裁判と呼ばれるものなんだ。平成10年8月の裁判で、原告は福岡の柔整師養成学校で被告は厚生労働省だった。判決内容は「養成施設としての要件を満たしているのに新設を認めないのは不当である。」というもので、原告側の養成校が勝訴したんだ。
これにより、厚生労働省は今まで養成校の新設を認めてこなっかたものを、要件を満たせば承認せざるを得なくなった。その結果、柔道整復師の養成施設学校は急激な勢いで増えることになったというわけさ。
なるほど。平成10年までは行政によって規制されていたわけね。それがなくなって増えていったのね。具体的にどれぐらい増えたのかしら?
平成10年に全国で14校だったのが、平成23年には108校まで増えたんだよ。
そんなに増えたんだ。じゃあ資格の合格者数もかなり増えたんでしょうね。
そう! ちょうど第1回からの国家試験の合格者数の推移をまとめた表があるよ。
柔道整復師の合格率
第何回 | 合格者数 |
---|---|
第1回(平成5年) | 963名 |
第2回(平成6年) | 1,059名 |
第3回(平成7年) | 1,005名 |
第4回(平成8年) | 1,063名 |
第5回(平成9年) | 1,137名 |
第6回(平成10年) | 1,071名 |
第7回(平成11年) | 1,091名 |
第8回(平成12年) | 1,024名 |
第9回(平成13年) | 1,041名 |
第10回(平成14年) | 1,128名 |
第11回(平成15年) | 2,108名 |
第12回(平成16年) | 2,215名 |
第13回(平成17年) | 2,902名 |
第14回(平成18年) | 3,755名 |
第15回(平成19年) | 4,416名 |
第16回(平成20年) | 5,069名 |
第17回(平成21年) | 4,763名 |
第18回(平成22年) | 5,570名 |
第19回(平成23年) | 4,592名 |
第20回(平成24年) | 5,227名 |
第21回(平成25年) | 5,438名 |
第22回(平成26年) | 5,349名 |
最近の合格者数は毎年5,000人を超えるのね。接骨院がこれだけ増えるわけね。
ありがとう、よくわかったわ。
ありがとう、よくわかったわ。
柔道整復師の将来性はどうなのか
上の表からすると現在の柔道整復師の有資格者数は9万人を超えるのかしら?
そのとおりだよ。有資格者数は平成26年7月の時点で9万人を超えていて、接骨院(整骨院)の数は全国で4万軒らしいよ。
今の全国のコンビニの数は5万軒だからね。そんなに変わらないなぁ。
その数値を見ると多いなぁと感じるわね。じゃあこれから柔道整復師になる人は開業しない方がいいのかしら?
う~ん・・・今は就職するよりも開業する方がリスクが高いだろうね。開業して成功するためには、確かな治療技術に加えてマーケティングや人材の上手な使い方など経営力も必須だと思うよ。
よほどの実力と自信がなければ開業しない方がいいということね。じゃあ柔道整復師の将来性はあなたの見解ではどうかしら?
あんまり良くはないとは思うけど、今の時代はそういう職種も多いんじゃないかな。悲観しているだけじゃなくて、これからどうすればいいのか柔道整復師個人個人が自分で考えて、必要な能力を身につけていけば、まだまだやっていけると思うよ。
個人の努力や能力次第ってことね。
そういうことだね。養成学校で教えてもらったことだけで満足していたり、既存のやり方だけに固執していると将来性はないと思うよ。
よーくわかったわ、ありがとう!