誰しも自分の頑張りを「認めてほしい」。能力や性格を「褒めてほしい」。
しかし会社は結果を出さないと存続できないので、ときにはどれだけ努力しても、あなたの働きを否定されることがあります。そして逆に相手を否定しなくてはならないときもあります。
この “否定について” 普段から1つだけ意識することで仕事もプライベートも人間関係が良くなります。
それは否定するとき、同時に「提案」をすることです。
これを、あなただけが意識したところで会社の業績は上がらないかもしれません。ただ少なくとも「あなたの評価」は着実に上がります。
例を踏まえて詳しく解説します。
仕事の人間関係を円滑にする方法「否定と提案」を同時にする
分かりやすいように、よくある職場の例をあげて説明。
社内で送別会を開くことになり、AさんとBさん2人が幹事をすることになったときの会話。
B「そこは前に利用したけど微妙だったからナシかな~。」
一見なんの変哲も無い会話です。このBさんの返答は特に気に留めるほどでもないかもしれません。
しかしAさんが忙しい状況であったり、気持ちに余裕がないときであれば、このような会話はガラッと形を変えます。
もしあなたが月末で忙しい合間を縫ってお店を調べ、自分ばかり候補を出しているのにも関わらず、相手がそれを立て続けに却下した場合はどうでしょうか。
相手「そこはちょっと違うと思う~」
相手「値段的に合っていなくない?」
相手「上司の好みじゃないと思う」
否定された側にとっては「じゃあ、あなたも考えてよ!」と思うでしょう。
ただ、もちろん否定する方も、“さすがに否定ばかりはしない。状況を見て会話するから”とも思います。
ここで大事なことは、そのときの他人の心理状況なんて分からない。ということです。
たった1度きりの最初の否定が、相手にとっては想像以上にダメージが大きいこともあるでしょう。
性別の違いや、職務内容、年齢、プライベートの環境が違うほどの相手の心理的状況には想像がつきにくいものです。
「そんな相手のことばかり気にしすぎるとか無理だろう。」という気持ちも分かりますが、ポイントが2点あります。
- ポイント
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- 「~してくれている」働きが、“ある” という事実
- 相手の行為を「無駄で終わらせない」という次への展望
1つずつ説明します。
1. 「~してくれている」働きが、”ある” という事実
まず第一に自分ではない誰かが “他人や会社のために働いた” という事実を踏まえた上で会話をすることが重要です。
※ 結果を出していない相手に「よく頑張ったね~」と学生気分で褒めるという意味ではありません。
会社で働き結果を出すのは当たり前の行為ですが、今の時代当たり前だけで済ませても物事は円滑に運びません。
仕事だからこそ、人間関係を良好にするために相手が働いた行為をまず認める。
人によっては「甘いんじゃない?」という考えも、もちろんあります。
人と人との信頼関係が希薄になってきている現代だからこそ、それを踏まえた上でやり方を見つけていくのが大事。
まず相手を否定する前に自分にできることはないか、責任転化していないか、落ち度がないか考え、「相手が存在していなければ何も生まれてはいない」その事実を認めて行動や態度に表すことで、知らず知らずのうちにあなたの評価は上がっていくでしょう。
2. 相手の行為を「無駄で終わらせない」という次への展望
否定だけで終わると、物事は改善しません。打ち合わせなどで否定だけする人がいますが、それをしたところで話はストップするだけです。
相手が出してくれた意見について感想を述べて、意見を肯定できない場合は同時に提案することで相手とやっと同じ立場になります。
もしそこで提案することができない場合は、それは提案力の無さを意味します。
もし提案できない場合は次の対処をするといいでしょう。
- 提案できないなら否定しない
- 相手の働きに感想を述べることで話を広げる。その上でフォローをしっかりする
- 「あとで提案するから」と待ってもらう
改めて上のAさんとBさんの会話で例えると、このようになります。
B「すみませんAさんに候補出してもらってばかりで。ありがとうございます。そのお店もいいと思うけれど、私も候補を出したいので少し待ってもらえませんか?」
Aさんが候補に出したお店に対してBさんは満足していませんが、直接否定をせず後に提案をすることで結果的に違うお店の選択肢が増えより良い選択ができるようになります。
このように、「結果的に」同じ道をたどるならば、提案することでわざわざ相手を否定する必要がなくなるのです。
おわりに
人間関係はうまくいっているように見えても、相手が我慢しているから成り立っていることも少なくありません。また、あなたが知らぬうちに気遣いをしていることもあるでしょう。
良い意味でも悪い意味でも、自分以外の人はあくまで他人。
毎日人と顔を合わす職場だからこそ、少しでも良い会社になるように意識したいですね。
否定すると同時に提案をすることで、仕事を前に進ませることができます。
そして、相手と同じ土俵に立つことで自分の意見も通りやすくなります。