転職先が決まった女性との会話で「私がすぐ仕事が決まったのは、たまたま就職活動するタイミングが良かったから。」なんていうフレーズを耳にしたことはないでしょうか。
もし自分もその立場だったらそのまま受け流す会話ですが、苦労して転職活動している人にとっては、「ちょっちょっと待って!!」と言いたくなります。タイミングが良いとか悪いとかあるものなのかと。
そこで、統計から転職活動に最適なタイミングがあるのかをまとめました。
退職時期は1年で1月~3月が多い
[出展]総務省統計局ホームページ 平成24年就業構造基本調査全国を基にグラフを作成
女性のみ対象にした「平成20年~24年の5年間の集計」から退職時期の平均値を算出してみると、4月から12月まではほぼ変化がないことに対して1月~3月の離職者数は多いことが分かります。
この理由として挙げられるのは3月末が年度末の企業が多いことと合わせて、契約社員など雇用期間の終了時期が多いためだと考えられます。
企業の人事担当者は、離職者の欠員補充に遅くても1ヶ月~2ヶ月前には求人広告を出したりする傾向が多いので、その期間を上のグラフから逆算すると求人募集を出すタイミングは11月~2月ということになります。
よって、この時期に行動することで多くの求人情報に出会えるチャンスが多くなると言えます。またこの場合に大手企業は新卒採用を行っていることより、新たに募集をかけることは少なくありますので、中小企業が狙い目でしょう。
ただ、退職する人が多ければライバルも増えるのでは?と思いますが、退職する人の全員が転職を考えている訳ではありません。女性の場合は本人の希望ではなく、取り巻く環境によっても左右されることが多いということが次の表で分かります。
女性の退職理由
前職の離職理由(すべての雇用形態を含む)
- 出産・育児のため(19%)
- 結婚のため(14%)
- 雇用契約の満了のため(10%)
- 病気・高齢のため(10%)
- 労働条件が悪かったため(8%)
- 会社倒産・事業所閉鎖のため(8%)
- 人員整理・勧奨退職のため(6%)
- 自分に向かない仕事だった(5%)
- 介護・看護のため(5%)
- 定年のため(4%)
- 一時的についた仕事だから(4%)
- 家族の転職・転勤又は事業所の移転のため(3%)
- 収入が少なかったため(3%)
- 事業不振や先行き不安のため(2%)
退職する理由に仕事に対する不満が少ないという結果が意外でした。
また、多くの女性は結婚・出産・育児などのきっかけにより退職することが分かります。
他にも介護・看護など家庭の事情や病気といった転職を考えていない理由の割合を合計すると 52%、約半数にもなります。
つまり、退職する人が多い時期にライバルが増えるといった点はあまり気にすることではなく、むしろその分求人情報の数も多く出ますので就職するチャンスが多いとも考えられます。
- 女性の結婚の平均年齢から読み取れること
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女性の結婚の平均年齢は年々高くなっています。
厚生労働省によると平均初婚年齢が平成5年では26.1歳なのが平成23年には29歳というデータが公表されています。企業としては退職者に代わる同じような経験を持った人が欲しいというところも少なくないでしょう。転職を考えいる女性はこの空いた枠に滑り込むことも転職の成功を高める1つのポイントではないでしょうか。
女性の転職のタイミングに年齢は気にしずぎない
ハローワークなどの募集を見ても年齢枠が広がっているように、昔と比べ最近は転職のタイミングに年齢があまり関係なくなってきている傾向が多く見られます。
30代でも40代でも正社員で雇用され多くの方が活躍されていますし、反対に20代の社会経験が少ない女性よりも、中途採用の場合ある程度社会経験を積んでいる人を欲しがる中小企業は多いです。
人員補充の場合は教育係がいることはあまりありませんし、企業は即戦力を求めているからこそ転職のチャンスではないでしょうか。
まとめ
今回は統計から女性の転職にタイミングの良し悪しがあるのかをまとめましたが、結果は時期により求人数が増減するので良いタイミングというものは少なからずあるでしょう。
また月単位でも当社で調べたところ、ハローワークなどは月末より月初のほうが求人数が多いです。
つまり11月~2月の月初が狙い目ということになります。
また30代以降の女性にとって転職のタイミングは、昔と比べ傾向が変わっている点と社会経験を積んでいる女性を望んでいる企業も多いことより、あまり気にしすぎる必要はないと思います。
それよりも、目に見えないですがこれまでの仕事で培ったものは必ずその人の財産となって蓄えられています。そのことに自信を持てる時期、動こうと思えるパワーが溢れてる時がその人にとっての転職に適したタイミングなのではないでしょうか。