現代では “転職に有利とされる資格”を取得したところで、役に立たないケースが多々あります。
これから資格を取って「未経験の業界に転職しよう!」と考えている人は、昨今の転職事情などに目を向けて、役に立たない資格のリスクを考えてみましょう。
転職するなら「何の資格が有利か?」という考えは注意
どのような資格でも持っておいて損はしません。たとえば簿記の資格だと、取得を試みることで経理の知識はつきますし少なからず何かの役には立つでしょう。
しかし何の仕事に就きたいのか決めていないのに、とりあえず資格を取ろうとする場合は注意が必要です。
今の時代、「転職に有利な資格だから…」と何か取得したとしても、同じような考えの人は多くいます。資格があるからといって好条件の職場に転職するのは難しいのが現実です。
大事なのは「何の仕事に就くか」を先に考えた上で、それに関した資格と必要な労力を調べること。
「とりあえず取っておいたら就職に有利だろう…」という曖昧な考えでは、勉強するモチベーションもあがりませんよね。
資格の取得にはお金も時間もかかります。だからこそ、「有利な資格」よりも「何の仕事につくか」で資格を取ることをオススメします。
「有利な資格を取ろう」と、誰もが考える。それが現実
インターネットで「転職 有利 資格」と検索すると、「転職に使える資格20選!」「有利な資格ランキング!」といったような情報ページがいくらでも出てきます。そして、その情報を参考に「転職に有利だから…」と何かを学習する人もいるでしょう。
これは悪いことではありません。しかし注意しておきたい点は “同じように考えて同じように資格を取る人” は、大勢いるということです。誰でも有利に転職したい気持ちは同じということです。
よって結局のところ、転職は資格だけでは「未経験の業界に飛び込むのは厳しい」と考えておいた方がいいでしょう。
資格を取ったあとが大事(たとえば行政書士について)
行政書士は就職に有利な資格として取り上げられることもあり、毎年役4~7万人の人が受験している国家資格です。通信教育で学べるコースもあり、さまざまな資格と比べると人気もあります。
ただ、行政書士を未経験で雇ってくれる会社はそこまで多くありません。資格を持っていても世に出ている求人数、仕事があるかどうかは別の話です。
行政書士の方が書かれている「行政書士は食べていけない?」にもあるように、現実は厳しいもの。
資格をとっただけではお客はとれません
このように、資格を取得するのがゴールではなく “資格を取ったあとに仕事にありつけるか” が大事です。
なかには「有利でもないのにオススメする」情報サイトもある
何年も前ならば転職に有利だった資格でも、インターネット上の情報には現在その内容事態が古いこともあります。場合によっては根拠もなくオススメされているケースもあるでしょう。
インターネット上には「資格を紹介することで」広告収入を得ているサイトも存在します。もちろん有益な情報を発信して資格の紹介をしている分には何も問題ありません。しかし、なかには間違った内容を掲載していることもあります。
検索して出てきた内容を鵜呑みにせず、調べた情報に信頼性はあるのか、発信元や運営会社をしっかり確認することをオススメします。
将来的に無くならない仕事かどうか
需要があったり未経験で転職しやすい業界であっても、10年後にはITやロボットに取って代わられる仕事も出てきます。
「いまの大学生が10年後に失敗しない選択は?」に書かれているように、昨今は日に日に無人のサービスが導入されつつあります。
数年前までは人間が当たり前のようにしていた仕事も、日々何かに取って代わりせっかく頑張って覚えた仕事もスグに必要なくなる…なんてことは、近年ザラのようにあるのです。
このように頑張って資格を取ったとしても近い未来に自動化されて仕事が無くなることもあり得ます。よって転職は、業界の未来を考えた上で選んだ方が後悔しなくて済むでしょう。
その資格は柔軟に使える知識か?
たとえば現在、看護師免許は病院などの医療機関や公的機関などさまざまな分野で需要があります。
これは職場がなくなっても働き場所には困らないことを意味します。
上でも触れましたが、将来的にはITなどに取って代わり無くなる仕事も出てくるので、今から資格を取って転職を考えるならば、得た知識や技術を柔軟に使える仕事の方が将来的なリスクは圧倒的に少なくて済むでしょう。
特定の会社・特定の業界だけにしか通用しない仕事も大事ですが、この時代だからこそ未経験OKで募集されているSEなど、手に職のような求人も転職の視野に入れてみてはいかがでしょうか。
要点のまとめ
資格を取って未経験の業界に転職を考える人にとって、このページの要点をまとめると
- 「何の仕事に就くか」を先に考えた上で、取る資格と労力を調べる
- 有利な資格を取ろうと考える人は多くいる。転職は資格だけに頼らない
- 資格を取得しても求人や仕事があるかは別
- おすすめの資格については情報を鵜呑みにせず、運営元やいつの情報か確認する
- 将来的には自動化されて、無くなる仕事もある
- できるだけ幅広い分野で使える資格・業務を選択することで将来的なリスクを減らす
以上の点を意識することで、転職の失敗は少なくなるでしょう。