通所介護でもあるデイサービスはいまやなくてはならないものとして、各地域に根付き地元利用者さんを支えています。今後もこれら需要は見込まれることから、近年では従来型のデイサービスに加えて、さまざまなサービスを加えた施設も増えてきています。
今回はデイサービスの種類についてご説明しましょう。
デイサービスの種類1.お泊りデイサービスとは
通常のデイサービス利用者さんの中には、特別養護老人ホーム(特養)に入所したいけれども定員がいっぱいであり、仕方なくデイサービスを利用しているというケースも多いと考えられています。
特に近年は、お年寄り夫婦や親子だけの「老老介護」が一般化しているだけでなく、場合によっては認知症を患って介護そのものがままならなくなる「認認介護」も増加しており、社会的にも問題になっています。
このような状態を少しでも改善するために、特養入所ができない利用者さんを受け入れて、介護する家族の負担を減らそうとつくられたのがお泊りデイサービスなのです。
お泊りデイサービスの特徴
一般的な日中帯だけのデイサービスは介護保険が適用されるため、利用者さんもその家族にとっても費用負担は最小限ですみます。
しかしお泊りデイサービスは時間延長や宿泊が加わり、その分の費用は保険適用外となります。施設数もまだ少ないことから国による法的な運営基準などが定められておらず、施設や一部自治体にゆだねられているのが現状です。
2013年時点でお泊りデイサービス施設の数は、登録されている全通所介護施設のうちの1割ほどいわれていますから、今後は需要が高まりまだまだ増えることが予想されます。
これにより法的な基準が定まれば、働く側も利用者さんにとっても良い環境が整ってくることでしょう。
デイサービスの種類2.放課後等デイサービスとは
障がいのある子どもたちやその心配が懸念される子どもたちのために、療育の場として設けられたのが放課後等デイサービスです。
子どもたちが将来自立して生活できるように生活態度や生活習慣を身につけ、人とのコミュニケーションが円滑に取れるようなプログラムを主に取り入れています。
運営しているのは児童福祉法に基づいた事業者となるため、子どもを預ける親としても非常に安心できることでしょう。対象は小学生から高校生までですが、乳幼児から小学校入学前に該当する児童発達支援事業もほぼ同様のサービスとして提供されています。
スケジュール開始は学校の授業が終わったあとからになりますが、夏休みなどの長期休暇中は朝から利用できるのが一般的です。
個別課題を設けたり、自由に遊べるような環境を整えたりするなどして、子どもたちの自主性や自信をつけられるような取り組みも積極的に行われています。
また、働くスタッフのなかには臨床心理士、保育士、言語聴覚士(ST)、作業療法士(OT)などの資格を持った人がみられ、通常の通所介護デイサービスとは必要になってくる知識や技術が違うのも特徴です。
放課後等デイサービスの今後
現在このような施設はまだまだ少なく、制度やサービス内容がめまぐるしく変わる状況が続いています。
地域差の需要と供給の差が激しいことも課題のひとつといわれており、一刻も早く安心して利用できる環境が整うことが望まれるでしょう。