百貨店 美容部員☆「大手化粧品メーカー販売」お仕事経験談

化粧品販売の仕事と聞いてどんな想像をされるのでしょうか。華やかさ・おしゃれな制服・メイクが上手になりそうなど・・・
けれど表には出ない苦労や厳しさ素晴らしさは実際働いてみないと分からないものです。

今回は数ある化粧品メーカーの中で、大手化粧品会社に勤めた私の経験談をお話しします。
百貨店の美容部員による仕事の1つのケースとして「現在転職活動をしている女性の方」、「卒業に向けて就職活動している女性の方」のお役に立てれば嬉しいです。

目次
  1. 大手ならではの行き届いた教育制度
  2. 女性の花園、上下関係
  3. 過酷な環境のもとで肌の維持はつらい
  4. やはり接客業の醍醐味を味わうと辞められない
  5. 辞める人も多ければ再就職する人もいる
  6. 終わりに

大手ならではの行き届いた教育制度

化粧品の販売と言っても売り場は様々ですが、百貨店の化粧品売り場は「化粧品メーカーの顔」と呼ばれる場所です。

新卒採用など競争倍率は高く、その中から選ばれた人が約2ヶ月間、みっちりと勉強します。もちろんこの期間も給与は支払われます。
これは大手だからできるもので、教育担当の人が、勉強して給与を頂けることに感謝しなさいとよく言っておりました。

中途採用や契約社員、パートについて
美容部員は以前化粧品メーカーに属していた方の採用に力を入れることも多く、またドラッグストアなどの量販店は契約社員やパートなど、雇用も多種に渡ります。

基礎からの土台づくりが後の財産になる

基礎からの土台づくりが後の財産になる

教育内容は肌や化粧品の知識はもちろんですが、配合されている成分実習のメイク、ヘアの知識も学び、また接客応対の手順もディスカッションします。

研修期間は2ヶ月ほどで、そのうち1週間ほどは実際に百貨店で勤務している先輩達の接客風景や、1日の仕事の流れを体験実習します。

そして、この2ヶ月の濃い教育を経て、各地の百貨店に配属され店頭に立つことができるのです。

今振り返ると、この手厚い教育体制による土台作りが貴重でした。この土台があるからこそ仕事や様々なシーンでも幅広く対応できたと実感します。

新卒予定で就職活動をしている人へ
企業を選ぶときは、ぜひ新人教育の内容が充実しているかどうかも基準の1つにしてほしいと思います。

女性の花園、上下関係

販売体制

教育課程が修了すると、百貨店で店頭販売が始まります。
売り場は大中小と3つの規模に別れ、中規模で10~16人。大規模になると30人もの従業員が配属されます。

少し従業員数が多いと感じませんか?

これは実際に店舗に立つ従業員は4・5人なのですが、大手化粧品メーカーはしっかりと休みのローテーションが組まれます。また勤務時間が2交代制なので、こういった人数になるのです。

さて、それから規模によって分けられるとリーダーが1人、さらに2グループに分かれサブマネージャーからの指示のもとで動きます。
勤続2~4年の先輩が教育係につき、日々の業務を教えてくれます。

時にはきついことも

休憩時間は先輩達とのコミュニケーションをとるために一緒に行動をしますので、一日の中で気が休まる時間はありません。緊張と不安の連続です。

時には接客方法で先輩からきつい一言もあり、普段ならそのまま受け流せるのに緊張感の中では涙を流すときもあります。
そんなときは、一緒に配属された同期の人や別メーカーの化粧品売り場の従業員に励まされながら立ち直ります。

こうして徐々に店頭での販売業務がこなせるようになります。

余談
それぞれ店舗のしきたりというものが存在します。
ある店舗では、休憩に入るたびに先輩のバックを持たなくてはいけない。といったことも。
これにいったい何の意味があるのかはナゾですが先輩・後輩の関係がはっきりとした仕事なのが分かります。

過酷な環境のもとで肌の維持はつらい

実際化粧品売り場で長時間立ってみないと分からないですが、まず照明がまぶしいです。そして床がカーペットでなく、大理石調の床から照明の反射もあり眼精疲労が辛かったです。

実習による肌へのトラブル

そして、実習による肌へのトラブルがありました。
マッサージの実習になるとメイクオフした後マッサージを行います。これを続けて交代しながら行いますので、肌の負担はすさまじいです。

きわめつけが百貨店の空調による乾燥。そして照明の熱さで、肌の水分はどんどん奪われ、荒れる一方でした。

しかし、化粧品を販売することが仕事ですから人一倍肌には気を使わなくてはなりません。
今でも百貨店の化粧品売り場に立つ女性で肌がきれいな方を見ると感心します。

やはり接客業の醍醐味を味わうと辞められない

慣れない日々の業務で緊張と不安の中、お客様との接客が何よりの励みです。

お客様の現状をお伺いし、何を悩んでいるのかどう改善したいのかを一緒に考えます。
それによって後日嬉しい言葉をいただくと、「この仕事をして良かった」と強く感じます。お客様との信頼関係が築けたこと、お役に立てたことが実感できるからです。

また店頭に立っていると、自分がメイクに使用してる商品について聞かれることもあります。このときお客様が同じ商品を購入された場合も、この仕事をしていて嬉しく感じる瞬間です。

辞める人も多ければ再就職する人もいる

華やかな職業に見える化粧品販売の仕事ですが、一日の立ち仕事で体力も必要ですし残業もあります。
その陰では日々みなさん努力し、苦労をしています。そのことも含め、3年以上勤める人の割合は高くはありません。

辞める人も多ければ再就職する人もいる

しかし、辞めても接客業が好きで違う化粧品メーカーに転職したり、一度現場を離れても、歳を重ね再び就職する人もいます。

企業側は、一度教育課程を受けている人であれば基礎ができてると判断し、積極的に再雇用する傾向がみられます。

キャリアアップ
長年勤務されている人は店頭販売から教育担当に変わることが多いです。女性でも十分キャリアアップが可能な職種です。

終わりに

美容部員は体力も必要ですし、肌に人一倍気を使います。しかし、化粧品メーカーは勤務体制がしっかりしていたり、何より接客で得られる喜びは大変大きいものです。

そして勤めて一番感じたことは、従業員の仕事に対する誇りと意識の高さです。皆プロ意識を持ち、活き活きと仕事に取り組んでいました。
化粧品販売が華やかに見えるのは、売り場に立つ女性の内側から出る輝きからなのかもしれません。