介護の現場は慢性的な人員不足が問題視されていますが、介護福祉士という資格をとった場合にどう変わるのか気になっている人も多いはず。
今回は、介護福祉士の将来性について考えてみましょう。
介護福祉士の求人数と求職者数
介護福祉士は一定の求人数があるものの、その求職者数は減っている傾向にあります。これは介護業界全体の給料の安さが大きな問題といえるでしょう。
同じ福祉の国家資格でも社会福祉士は介護福祉士よりも収入が安定し、長く続けている人も多くいるのですが、介護福祉士の場合は早い段階で別資格を取得してスキルアップを狙うか、全くの別業種へいってしまう傾向も強いようです。
スキルアップを狙うケースとしては、ケアマネジャー、社会福祉士などの資格を目指すことになりますが、これらは介護福祉士とはかなり違った仕事内容になります。
ケアマネジャーはデスクワーク、社会福祉士は相談・サポートといった役割となるため、介護・介助は介護福祉士ほど行わなくなるのです。
ただしこれらの資格をとっても本来の仕事だけではなかなか収入面では難しく、過去の実務経験を活かして介護に携わる人は多いといわれるほど。
そうなればますます、介護福祉士の資格だけを持っている人は将来性が見えず、収入面でも仕事内容でも不利になり、求職者が減ってしまうのです。
資格習得をする必要性
介護の仕事をしている人のなかには、訪問介護員(ホームヘルパー)の資格を取得している人も多くいます。
これは介護福祉士と違い国家資格ではないため取得がしやすく、また資格取得者の需要も高いのが現状です。
仕事内容もほぼ介護福祉士と変わらないために、雇う側としては国家資格を持つ介護福祉士に高い賃金を払うよりも、安めの賃金でも求職者数が多いホームヘルパーの方を求めるケースもみられます。
このことから、受験勉強にかかる費用等を払ってまで、介護福祉士の資格取得を習得する必要性があるのかと悩んでしまう人も多いのです。
これらの問題にともない、現在は介護福祉士の上位資格である認定介護福祉士(仮)の検討がされています。介護業界全体の賃金引き上げも求められていますが、介護福祉士の待遇が良くなるにはまだしばらく時間がかかりそうです。
高齢化社会によって変化すること
日本の高齢化社会にともない、介護の現場では人員はますます求められています。
特にこれらの仕事は体力を使うことから、中年以降に別の仕事に変えてしまうケースが多いので、人員不足はいつまでたっても解消しない状況にあるのです。
核家族化が進んだことで、親子関係による介護自体が減っていることも介護職が求められる原因でもあります。
問題解決において重要なのは、賃金の引き上げ、無資格者でも働きやすい状況などがありますが、地域差による人員の偏りがおきないようすることも大切になってくるでしょう。
また、近年は介護ロボットの開発も進んでおり、期待が高まっています。介護支援、自立支援、コミュニケーション・セキュリティーと能力はさまざまですが、これらが安価で普及しやすくなるようになれば、介護の現場もより安定して仕事ができるようになることでしょう。