大学生は平均で週に何時間ぐらいアルバイトしているのか
まず、大手2社が行った大学生のバイトの平均勤務時間に関する調査の結果を比較してみます。
ベネッセ教育総合研究所の「大学生・生活実態調査報告書」
バイトをしている大学生の割合は63.7%で、1週間の平均勤務時間は14.3h、平均日数は2.9日という結果に。
また、平均勤務時間については 学年 による差が見られた。1年生から3年生まではあまり差がなく平均で13.4h、これに対し4年生は16.8hと3時間以上長いという結果になりました。
しかし、この結果も今後は変化しそうです。
2015年卒までは就活の解禁が3年生の12月で採用選考開始が4年生の4月だったため、早めに内定が決まった学生は十分にバイトをする時間がありました。
2016年卒の学生からは解禁が3年生の3月(2015年3月)となり、選考開始も4年生の8月(2015年8月)からとなったため、4年生の学生がバイトに入れる時間はかなり減少しそうです。内定が決まる頃には夏休みが終わるので、余計にそうなるかもしれません。
リクルートの「就職ジャーナル」
こちらは大学1年生だけを対象とした調査のため、ベネッセのものと厳密には異なりますが、比較して検証してみます。
まず1週間の平均勤務時間は11.6hでした。ベネッセの調査では1年生は13.2hなので1.6hの誤差があります。
これぐらいの誤差は調査方法の違いによるものと推測されますので、概ね12~13h前後と考えれば良さそうです。
また、アルバイトをしている学生の割合は男子学生よりも 女子学生の方が多い という結果もでました。
これについても理由を探りましたが、なかなか明確な答えは見つかりませんでした。
予想するなら、練習時間(拘束時間)の長い運動部に所属する学生は男子学生の方が多いこと。実験やレポートに時間のかかる理系の学生も男子の方が多い。このようなことが関係しているのかもしれません。
参考: 大学1年生に聞きました。週に何時間バイトしてる? – 就職ジャーナル
2つの調査のまとめ
1週間の平均勤務日数は2.9日で勤務時間数は13h前後という結果がでました。
もっとわかりやすく表現すると、バイトは週に3回で、1回の勤務では4時間ぐらいが最も標準的 な大学生のバイトの入り方のようです。
今後はどうなる?
では次に、大学生のバイトの平均勤務時間は今後どのように推移するのか予想してみました。
大人はもっと勉強しろ!と言っている
先にも触れましたが、2016年卒の学生から就活の開始時期が遅くなりました。これは経団連からの要請でもあるようです。
「質の低い新入社員が多い。学生の間にもっと勉強してこい!」 ということらしいです。
大学の方でもカリキュラムをより厳しくして、学生を遊ばせないようにする流れが近年では強くなってきています。バブル時代の名残りなのか、大学生といえば遊びまくるみたいなイメージがまだ残っていますが、今後は本当にそれもなくなりそうです。
アルバイトを頑張り過ぎて単位が取れず、卒業できなければ当然就職にも不利になります。文字通り本末転倒です。
最近の学生は将来に対して慎重派が多いという調査結果もありますので、就職に不利になるなら無理してバイトはしないという流れになるかもしれません。
でも世の中の時給は上がり始めている。ということは・・・
日本の労働人口は1999年から減少しています。団塊の世代がみな退職すれば、労働人口は更に減少します。
求人倍率は一般的に景気が好調だと上昇しますが、最近では景気とは関係なく、単なる労働力不足のため求人倍率が上昇している業種もあります。
2014年には、とある外食チェーンで従業員不足のため店舗運営できず閉店 というニュースもありました。こうなると企業は時給を上げてでも従業員を確保しなくてはなりません。最近ではアルバイトやパートの時給の上昇が実際に始まっています。
少ない時給では働く意欲は萎えますが、時給がいいなら働いてみようかなと思うのが当然の心情です。そこそこ稼げるなら、バイトで働いてみようかなと思う大学生が増える可能性もあります。
どのぐらい時給が上がるのかにもよりますが・・・
予想のまとめ
まず確実に言えることは、これからの大学生はもっと忙しくなるということです。厳しいカリキュラムと就活スケジュールの中から、アルバイトに当てる時間を捻出しなければなりません。
時給の上昇率は景気に左右されるため予想が難しいですが、たとえ高時給のバイトがたくさんあったとしても、冷静に行動するのが賢明です。
学生時代のアルバイトは長くて数年ですが、就職してから働く期間は何十年です。学生時代にしっかりと勉強し自分の生涯賃金を高めた方が、目の前の小銭を稼ぐよりはるかに価値があります。
まぁ大人がこんな心配をしなくても、今の大学生は賢明なので、学生バイトの時間数は減少していくのではないでしょうか。