103万円以上稼ぐメリットがなぜないのか
大学生がバイトで年間103万円以上の収入を得ると 税金の問題 が絡んできます。
そして、103万円から150万円ぐらいまでは世帯収入が増えません。
場合によっては収入が減ることもあります。150万円分働いても、103万円分働いても残るお金は一緒。働いた時間の3分の1が無駄になるという悲惨な結果になってしまいます。
103万円や130万円の壁についてや、どの場合にどれぐらい税金がかかるのかといったことは、また別の記事で説明します。
今回は、大学生はどれぐらいのバイト収入だったら一番メリットが大きいのか 検証します。
1.バイト年収36万円以下(月収3万円以下)の場合
2.バイト年収60万円以下(月収5万円以下)の場合
3.バイト年収103万円以下(月収8.5万円以下)の場合
4.バイト年収150万円以上(月収12.5万円以上)の場合
5.どれが一番お得か まとめ
バイト年収36万円以下(月収3万円以下)の場合
月収3万円以下ということは、時給1,000円で計算すると月に30時間、週に7.5時間、つまり週に2回4時間程度のバイトの入り方になります。
メリット
- 勉強やサークル活動とも両立できる
- 3万円が全て自由に使えるなら、大学生にとってはちょうど良い金額
- 社会人(正社員)になる前に”働く”経験ができる
- 週2回なので中心人物にはならず、あまり頼られない(気楽でいい)
- 就活の際の履歴書にもちゃんとバイト経歴を書ける
- バイトをしていない場合よりも出逢いが増える
デメリット
バイト年収60万円以下(月収5万円以下)の場合
月収5万円以下なので、時給1,000円で計算すると月に50時間、週に12.5時間、つまり週に3回4時間程度ずつバイトします。
メリット
- そこそこお金に余裕ができる
- 社会人(正社員)になる前に”働く”経験ができる
- 就活の際の履歴書にもちゃんとバイト経歴を書ける
- バイトをしていない場合よりも出逢いが増える
デメリット
バイト年収103万円以下(月収8.5万円以下)の場合
月収8.5万円以下なので、時給1,000円で計算すると月に85時間、週に21時間、つまり週に4回5時間程度ずつバイトします。
メリット
- お金に困ることは少なくなる
- バイト先でベテランになると、重宝される
- 親にあまり頼っていないという満足感
デメリット
バイト年収150万円以上(月収12.5万円以上)の場合
年収150万円以上なので、180万稼ぐと仮定してみます。月収は15万円となり、バイト時間は週に37時間必要になるので、週5で7.5時間以上働きます。
ん!? ほぼ、正社員と変わらない労働時間ですね。ここまでくると、バイトの仕事が本業で、大学は副業のような気がします。
一応メリットとデメリットをリストしてみます。
メリット
- 自分がいないとバイト先の仕事が回らなくなる、大きな責任感と達成感
デメリット
- 勉強がほとんどできない
- 大学生の時にしか体験できない貴重な時間を、棒に振ってしまう
- 大学を中退する可能性が高まり、そうなれば就職活動では苦戦を強いられる
- 学生時代はリッチだが、生涯獲得賃金は大きく下がる可能性が高まる
- 親の理解が得られない、また悲しまれる
どれぐらいのバイト収入が一番いいのか まとめ
上の検証でメリットとデメリットをリストアップしてみましたが、バイト年収36万円(月収3万)ぐらいが一番良さそうです。
- しっかりと勉強して大学で得られる専門知識
- バイトを通しての仕事の経験や出逢い
- サークル活動・部活で得られる青春の時間
- 彼氏,彼女,友人と遊ぶためのお金
これらの大学生としておいしいところを全て手に入れられるのは、バイト年収36万円以下が一番可能性あります。
でも、学費や生活費を稼がなくてはならない苦学生はどうなる?
確かに環境や条件は人それぞれ異なります。一人暮らしでも親からの仕送りが十分にある人や実家から通いの人は、バイト年収36万円以下でもやっていけます。
でも、そうでない人、やむを得ずバイトしなければならない大学生もたくさんいます。
そんな人たちはどれぐらいバイトすればいいのか・・・?
実はそれでもバイト年収36万円以下が一番いいのではないでしょうか?
理由は以下の通りです。
お金がどうしても足りなければ、奨学金や教育ローンを活用すべき
発想を変えて、お金を借りるというのもいい方法です。
借金というと悪いイメージがありますが、ギャンブルや遊びのために借りるのではなく、勉強するための借金であれば全然悪くありません。ちゃんと勉強して、まともに就職すれば数年で返せる額です。
奨学金や教育ローンを利用することで、大学生が大学生らしい時間を過ごすための “時間” を確保することができます。お金には価値がありますが、時間にも同じように価値があります。特に若い年代の時間価値はことさら高いです。
1,000時間頑張ってバイトして100万円の価値を生み出すよりも、その1,000時間を有効に使えば100万円をはるかに上回る価値を生み出せます。大学生なら簡単にできます。
お金の額ではなく価値という尺度で測れば、奨学金や教育ローンを利用して”時間”を買うのはありです。アルバイトをしてはいけないわけではありませんが、せっかく大学に入学したのなら、大学生としておいしいところを享受した方がお得です。
ひとつだけ注意点
奨学金や教育ローンの案内と、注意点がひとつあります。
案内
特に成績が優秀な人
返す必要のない奨学金である「給付奨学金」を受け取れるかもしれません。もちろん世帯収入が一定額以下という条件がありますが。
該当しそうな人は、「給付奨学金」「民間給付奨学金」「給付奨学金 大学」「大学院 給付奨学金」といったキーワードで検索してみましょう!
普通の成績以下の人
「貸与奨学金」といって返済の必要のある奨学金を借りれます。こちらの方が一般的です。給付奨学金は本当に狭き門なので、気にしてはいけません。
貸与奨学金については日本学生支援機構(JASSO)のホームページで案内があります。
外部サイト: 奨学金情報-JASSO – 日本学生支援機構
奨学金が借りられない人
世帯収入が一定以上あるが、なんらかの理由によりお金が足りない人は「教育ローン」が利用できます。とても低利なので返しやすいです。
外部サイト: 教育一般貸付(国の教育ローン)|日本政策金融公庫
民間の金融機関やJAなどにも教育ローンはありますので、検索してみましょう!
注意点
学生ローンで借りてはいけません!
学生ローンは教育ローンと言葉は似ていますが、違います。
学生ローンは学生向けの消費者金融です。闇金などの違法な金融ではありませんが、金利が高すぎます!17%ぐらいの借入金利が多いです。
そもそも何百万円という額は融資してもらえませんが、たとえ50万円でも長期で借りればけっこうな返済額になります。残りの返済額に対して年利17%の利息がずっとかかります。だからどんどん返済額が膨らみます。
金利が2~4%ぐらいの教育ローンとはまるで違います。100万円を17%の金利で借りて5年間で返済すると、総額149万1千円払わなくてはなりません。金利が3%の教育ローンなら107万8千円で済みます。
学生ローンはバイトの給料日まであと10日でどうしても5万円足りないから借りるといったように、数日のスパンで借りるためのものです。何年もかけて返済するものではありません。
また、たとえ数日の借金でも一度でも消費者金融を利用すれば、自身の「信用情報」に記録されます。その場合将来、家を建てるために大きなローンを組むときや自分で起業するために銀行から融資を受けたいときなどに影響が出るので、学生ローンはおすすめできません。
詳しくは「融資審査 信用情報」というキーワードで検索してみてください。
まとめの まとめ
大学生はバイト収入を103万円以下に抑えた方がお得な理由は、
大学生時代にしか味わえない貴重な経験をバイトで棒に振るのはもったいない からでした。
また、バイト収入はできるだけ少額に抑えて大学生のメリットを全部享受した方がさらにお得です。103万円以上稼ぐのはデメリットだらけなので絶対にやめておきましょう!