部下の育成ポイント! 上司が「しない」7つのこと【現代版】

社内管理や打ち合わせ、売上げ向上に部下の育成、私たちに休む時間はありません。
「部下が早く使えるようになってくれたら…」とも思いますが、育成とは簡単にいかないものです。

「自分が新入社員の頃は怒られてなんぼだった!」
「俺のときは、こんなんだったっけ…」

自分が教えられる立場の時とは、まったく違う部下の姿勢や甘さに戸惑うことも多く、10代20代の人が “本当に” なにを考えているのか分かりにくい現代です。

しかし育成するのも仕事。
このページでは、時代の流れを踏まえた上であなたの仕事が少しでも楽になるよう部下の育成に効果的なポイントや指導方法をご紹介しています。

今まで企業の教育担当者と話してきた中で、「こうしたら案外うまくいくよね」といった声に基づいているので役に立つと思います。

目次
  1. 育成前に「現代では気をつけておきたい前提条件」
  2. 部下の育成ポイント・指導方法

育成ポイントの前に「現代では気をつけておきたい前提条件」

部下の指導や育成において注意したい点があります。
それは今の時代は人によって「見えている世界が違う」といったように、少し極端なぐらいに個人の常識は違うんだと念頭においた方がいいということです。

下記は現代でよくある価値観や問題点の例です。

  1. 自分の稼ぎで自分だけが今後生活していけたら十分幸せ
  2. 会社と労働者の関係性は希薄が普通
  3. インターネットの普及により組織の必要性が少なくなってきている

これらを具体的に説明します。

1. 自分の稼ぎで自分だけが今後生活していけたら十分幸せ

晩婚化が進んでいる。または結婚しない人が増えているのはまぎれもない事実です。
だから、家族を養う必要性がないという思考にもなります。

結婚する気が元々ない場合、”根本的” に上昇志向がなかったり、自己の成長に必要性が感じられないという人もいるでしょう。

この考えを否定することは簡単ですが、まず指導する立場は「この事実を認めなければ」なりません。

※ 終身雇用の考えが成り立たなくなってきている背景も含めて、「仕事辞めたい病にかかった新卒」に書かれてる内容も合わせてどうぞ。

2. 会社と労働者の関係性は希薄が普通

ブラック企業という言葉が一般的に使われていますが、労働環境が悪いとされる会社が当たり前のように存在するのは事実です。
労働基準法を無視して捨て駒のように人を扱う会社は少なくありません。

しかし逆に、労働者も自分を守るために過剰になり都合が悪いことがあると労働環境のせいにする人もいます。

このことより、昔と比べて会社と労働者の関係性は利害関係が重視され、人間関係が希薄になっているのは現代の問題でしょう。

3. インターネットの普及により組織の必要性が少なくなってきている

インターネットやスマートフォンの普及により、今では家で寝転びながらでも求人を見つけることができます。
このことより、数年前と比べると会社を辞めて転職するというハードルは大幅に下がっているでしょう。

そして在宅ワークが急速に増えていることもあり、会社という組織に属さず個人で活動する人も増加しています。

育成ポイントの前提

上の1~3全体を通して言えることは、1つの会社に長く属するメリットや必要性は少なくなってきているということです。

10年以上もメディアから不況だと伝えられ続け、頑張っても大変そうな大人を見て育ったからこそ、どこかで「嫌なら辞めてもいい」「結婚しなくてもいい」という選択肢が出てきたのも事実。これは合理的な考えだとも言えます。

だからこそ、これら時代背景を踏まえた上で部下を育成することがポイントになってきます。

部下の育成ポイント・指導方法

部下の育成ポイント・指導方法

ポイント1. 根性論で指導しない

根性論で仕事が上手にこなせるなら、すでに多くの企業が行っています。

「根性でどうにか契約書にサインもらって来い!」なんてセリフを部下に押し付ける人はさすがに少なくなっているとは思いますが、それでも気づかぬうちに似たような会話をすることは多くあります。

たとえば、「最近の若者は根性がない」といった会話。

不況と伝えられ続けてきた日本の経済状況で育っている人達だからこそ、「根性が~」という言葉を使う上司に冷めてしまうこともあるでしょう。

育成のポイントとしては根性などの精神論で語らず、仕事内容を面倒くさがらずに明確に伝えて、それが達成されるとどのようなメリットがあるかを教えることです。

(この子は甘いな~)と思うことがあっても、それは心の中だけに留めておいた方が現代では上手く運ぶことが多いです。

2. 例外をのぞいて「怒りの感情」は育成に必要ない

部下を怒っても、良い関係性ができていなければ思ったように動いてくれるのは数年、ひどい場合だと数日だけです。

上の育成ポイントの前提にあるように「特に会社に居続ける必要も無く、いつでも辞めてもいい」という選択肢が頭にあると、怒りで部下を動かせていたとしても、いずれ会社から離れていくことは大いに考えられます。

何より “怒られるのは嫌だから” という理由で仕事をすると生産性が低いです。

ときには指導方法の1つとして怒ることも必要ですが、あなたの仕事が少しでも楽になるよう教育するならば、仕事をすることで部下が得する内容を伝えることがポイントです。
それならば、進んで動いてくれるでしょう。

3. 「できて当たり前」といった、上から目線で指導しない

自分のときは「できて当たり前」だったことは胸にしまっておきましょう。
それを言葉や表情に出したところで、良い事はなにもありません。

(自分は当たり前にできるほど能力が高かったんだな!)と思うことで、感情的にならず気持ちを静めるのもいいかもしれません。

4. なぜ部下がミスをしたのか?失敗の原因すべてを「まず先に」押し付けない

部下のミスにより「なんでそんなことしたんだ!」とイライラしたり気持ちが焦ることがあります。

ただそのミスは、部下がしてしまったとしても会社の管理体制がしっかりとしていれば防ぐことができたかもしれません。根本的な原因は別にあるかもしれません。

もちろんミスした者が悪いのは当然です。
しかし、まずは「なぜそのようなことが起こったか」、部下の失敗だけではなく関わる全体像を見ることにより指導の仕方は変わってきます。そして、選ぶ言葉が変わってきます。

最初から失敗したのは部下のせいだと決め付けて責任をすべて押し付けるのは、絶対にしないことをおすすめします。

5. 手が回らなくなってから仕事を渡さない

頼れる部下に仕事をまわすのは当たり前でしょう。

しかしまだ育成の段階であるのにも関わらず、自分自身に余裕がないときに仕事をまわすとうまくいかないことが多いです。ミスなんてされると一層忙しくなります。

手が回らなくなる前に、前もって仕事をお願いするのがポイントです。

6. 昔のミスを掘り起こさない

自分に置き換えると分かると思いますが、過去の失敗を掘り起こされて気持ちの良い人はほとんどいません。美味しいと思うのは芸人ぐらいなものです。

当たり前のことですが、自分にされて嫌なことは部下にしないようにしたいところですね。

7. 指示外の部下の行動や努力を見逃さない

良かれと思ってした行動が、結果失敗に終わろうとしても頑張ったことに対しては評価することで、次につながります。

現代においていくら会社との関係性が希薄といっても、自分のためや上司のため、お金のためなど理由はどうであれ人は頑張ったことを褒めて欲しい生き物です。

だからこそ、努力を見逃さずに「頑張ったな」「いつもありがとうな」と労いの言葉1つかけることがとても重要なのです。

以上、現代に必要な部下の育成方法でした。